2021 Fiscal Year Research-status Report
生活場面から就業場面への円滑な移行を意識した学生向け安全衛生教育の実践と評価
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20K02337
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Research Institution | The Ohara Memorial Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
松田 文子 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 特別研究員 (40399340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 徹 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 特別研究員 (60726123)
山村 昌代 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 協力研究員 (80726109)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 安全 / 健康 / 衛生 / 若年者 / 大学生 / 第13次防 / 教育支援 / 安全健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「企業」「学校教育現場」「安全衛生関係の有識者」が連携する枠組みを用いて、実践的な効果検証も含めた、学生向けの安全衛生教育の手法を確立し、円滑に生活場面から就業場面への橋渡しをすることである。具体的には、学生を対象とした安全衛生教育プログラムを構築、実践し、教育効果を検証する方法を開発していく。 COVID-19の影響もあり、リモート教育が、様々なリスクやコストを減らし、実現可能性を高めるツールとして機能する場面が急激に増えてきたことから、これまで対面実施を想定していた安全衛生教育プログラムの作成方針についても、昨年度に引き続き、再検討を行った。 2021年度は、まず、2020年度に実施した教員へのヒアリング、大学生へのヒアリングの結果をまとめを行い、課題を整理した。次に、国内の大学全体において、どのような学部でどのようなカリキュラムが課せられているのか、そのカリキュラム科目の中で安全衛生(健康)に関連する講義内容がどの程度か把握するために、全大学を対象としたシラバスの調査分析(インターネット上で公開されているシラバスを収集・分析)を行い、安全衛生(健康)に関するカリキュラムの介入の可能性について検討した。 直接的に、安全衛生を教育する科目は少ないものの、例えば「歴史・法律」系では、事故史、その教訓としての法制化過程、「社会」系では、集団と体制、情報リテラシー、「生理・心理」系では、人間特性、形質と行動、「被服」系では、補正装具、保護具、快適性、「保健」系では、医薬リテラシー、食生活、生活習慣、健康の維持、「環境」系では、住環境、廃棄物質、「物理・化学」系では、危険物質など、様々な分野で、安全や健康に関する教育が実施されていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題を整理して、実践的なプログラムを作成する段階で、リモート化を視野に入れた検討を行っているが、リモートに向かない課題も多く、臨場感を出す仕組みを安価に盛り込むという点についても、課題可決が追い付いていない点がある。 企業側のヒアリングが、コロナ禍の影響もあり、滞っている点もある。
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Strategy for Future Research Activity |
教育ツールの開発そのものは、対面、リモートの両面から、実験的な試みを行いやすい状況にあると考える。対面とリモートのハイブリット型の講義、研修も多く行われる中、ハイブリット型特有の課題も、散見されるようになった。 これらの課題も踏まえつつ、教材の開発および提供、参加型でのオンライングループワーキング等の双方向型の教育、リモートと対面の組み合わせの工夫等に取り組み、運用の仕組みの作り込みと試行を行っていく。並行して、シラバス調査も対象を増やしつつ、充実を図っていく。
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Causes of Carryover |
2021年度は、特に、コロナ禍で対面での打ち合わせ、学会出張が減少したこと、教育実践の試行が実施に至らなかったことに伴い、旅費、謝金の支出が少なかった。この分を2022年度に持ち越した。
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