2023 Fiscal Year Research-status Report
セルフ・ヘルスケアの促進を目指したユニバーサル衛生用マスクの基礎開発
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20K02342
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森島 美佳 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50369518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三野 たまき 信州大学, 学術研究院教育学系, 特任教授 (00192360)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マスク / フィット / 着用感 / 快適性 |
Outline of Annual Research Achievements |
衛生用マスクは,「口と鼻を外的環境から保護する」ことが重要な要求性能であり,疾病予防や対策として日常生活で用いられる便利な衛生用品である。COVID-19感染拡大時には,多種多様な家庭用マスクが製造,販売された。しかしながら,一人一人にフィットしながらもより多くの人に対応できるユニバーサルな衛生用マスクの形状,サイズおよび素材に関する設計要件は明らかでない。本課題では,頭部形状の差異の観点から精査し,高い防護性能と良好な着け心地を有する衛生用マスクを,より多くの人々に科学的根拠に基づき提案することを目的とする。本課題の遂行により,ユニバーサル衛生用マスクのデザイン,素材性能,着け心地への感性評価が明らかとなり,「自己の健康管理」促進の一助となることが期待される。 実験では,これまでに日本人女性の閉口時および開口時における3次元頭部形状を,動作解析装置を用いて計測した。獲得した3次元位置座標を用い,アフィン変換を用いて口当てシート部分の2次元パターンを解析してきた。68名分の解析パターンに基づき,99.7%の日本人若年女性に適合する口当てシートの寸法を,累積分布関数に従って算出することができた。また,口当てシートを顔面に密着させる輪郭部分の適正サイズと形状についても決定することができた。次のステップとして,着用時の捕集性能を測定する簡易型実験システムを構築し,解析パターンの防護性能をフィット性と捕集効率の観点から検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市販マスクのフィルターを用いて,サイズが異なる4種類の解析パターンに基づき鼻と口を覆う部分である口当てシートを試作した。それぞれを平均頭部形状を有するマネキンに装着させ,室内環境におけるパーティクルの捕集個数を,パーティクルカウンタ2台を用いて測定した。粒子径0.3から5.0μmについて捕集効率を算出した結果,小さいサイズのシートから順番に45.4%, 95.2%, 98.0%, 98.3%であった。マスクのシート面積とマスクと顔面との密着性が影響を及ぼしていることが本実験で示された。これまでの検討結果で,3番目に大きいサイズの口当てシートが,99.7%のヒトに適したサイズであることが示されたが,本実験で同サイズは優れた捕集効率を与えることも確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,様々な素材を採用して解析パターンに基づくマスクを試作し,捕集効率を計測する。その結果をもとに,サイズ間の比較を行いながら最適パターンのサイズや形状の検証を続ける。さらに,捕集効率に大きく影響を及ぼす着用条件についても検討していく。
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Causes of Carryover |
研究成果の発表を予定していた国際会議の開催地で災害があり,渡航を中止した。このため,次年度使用額が生じた。今後の使用計画として,学術論文印刷費,学会発表に要する費用に充てる予定である。
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