2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーを用いたおいしい魚を安心していただくための臭気成分指標の確立
Project/Area Number |
20K02346
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
谷本 昌太 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (80510908)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 次世代シーケンサー / 貯蔵 / 魚 / 揮発性成分 / 脂質酸化 / 菌叢解析 / 腐敗 / トリメチルアミン |
Outline of Annual Research Achievements |
品質劣化への脱酸素包装およびスーパーチルド(SC)貯蔵の抑制効果を明らかにすることを目的として、異なる包装および温度条件で腐敗に至るまで貯蔵した養殖ブリ肉の生菌数、腐敗指標(TVB-NおよびTMA)、脂質酸化指標(TBARS)、揮発性成分および微生物菌叢の変化について検討した。 一般生菌数は、貯蔵0日目と比較して、含気包装した普通肉(OM)、血合肉(DM)はともに氷蔵で貯蔵14日以降およびSCで56日以降において有意に増加した。一方で、脱酸素包装の場合、氷蔵のOM、DMはともに貯蔵56日目において有意に増加し、SCのOM、DMはともに貯蔵期間中にほとんど増加が認められなかった。各腐敗菌については、包装および温度条件に関わらず、一般生菌数と同様の傾向を示した。脱酸素包装は、氷蔵、SCともに含気包装と比較してDMの褐変を抑制することができた。TVB-Nは、普通肉、血合肉ともに同一の温度条件において貯蔵中の変化に包装条件の違いによる大きな差は認められなかった。TMAは、同一の温度条件において脱酸素方法することにより含気方法と比べて増加することが示された。TBARSは、貯蔵0日目と比較して、含気包装したOM、DMはともに氷蔵で貯蔵14日以降およびSCで28日以降において有意に増加したが、脱酸素包装した氷蔵およびSCのOM、DMはともに貯蔵期間中に有意な増加は認められなかった。現在、揮発性成分の分析および微生物菌叢の解析を行っている。 以上の結果から、脱酸素包装により、腐敗の遅延、変色防止および脂質酸化の抑制効果があり、さらにSCとの併用においてよりその効果が増強されることが示唆された。しかし、腐敗指標については、脱酸素包装における増加遅延効果は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
引き続き,コロナウイルスの影響により実験の遅れを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている部分について,人役を重点的に投入することにより遅延している項目について実施することで,最終的には当初予定してた内容を実施することができる。
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Causes of Carryover |
交付決定額が当初の予定より少なかったため、次年度の研究に支障がないように慎重にかつ適切な予算執行に努めた。また、コロナウイルスの影響で研究の進捗がやや遅れているため、それに関わる支出が少なかった。この結果として、次年度の使用額が生じた。
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