2022 Fiscal Year Research-status Report
復興の担い手である壮年期住民の被災後のPTGから見た近未来の高齢者支援モデル
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20K02348
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
野呂 千鶴子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20453079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 裕子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90289934)
日比野 直子 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30340227)
城 仁士 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 名誉教授 (40145214)
滝沢 隆 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 講師 (60787878)
桑野 美夏子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (10736052)
降籏 幹子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (80525139) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PTG / 壮年期 / 近未来の高齢者生活支援 / 防災・減災力 / 人生設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の中での活動が3年目となり、感染状況を見ながら調査活動を行うとともに、本研究におけるPTGの概念整理を行った。 調査活動:生活再建エリア(東日本大震災被災地)では、3年ぶりに現地での調査を再開することができた。震災から12年を経た生活再建の状況について、災害公営住宅の整備や自宅再建が進む中で、発災時の衝撃・喪失感から復旧・復興のプロセスを経ながら新たな町を再生するという分析軸で整理を行った。また、地震・津波・原発災害の被災地である福島県原発周辺地域の医療従事者にも、震災から復興へのプロセスについて調査を行い、この地域の医療従事者のPTGについて考えることができた。 PTGの概念整理:本研究におけるPTGの捉えについて、6回の勉強会を開催し、整理した。その結果PTGを、個人が属する集合体(地区やグループ)の一連の変化(集合流)として捉えることを再確認した。昨年までの調査データ(震災経験エリア・地域完結型エリア)を用いて、集合体に起こったPTG について、集合流の活動構造の変化としてエンゲストロームの「活動理論」に基づき分析を行った。現在、論文投稿に向けた準備を進めている。 さらに、地域に起こった自然災害等の被災からの変化について、集合体のPTGとして捉え、その概念を定義することについては、活動期間を延長し、2023年度にシンポジウムを開催する中で、参加者と議論する予定である。その中で、壮年期住民という集合体のPTG経験値をいかした「近未来の高齢者支援モデル」の検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響を受け、2021年度までは活動が遅れがちであった。 しかし、今年度は、コロナ感染の状況を見ながら、感染対策を取り、東日本大震災被災地において、順調に調査を進めることができた。 さらに、本研究におけるPTGの概念整理についてのスタンスを明確にし、グループダイナミックスの視点からのアプローチであることを確認した。これにより、分析軸が明確になり、成果の公表に向けて進めているところである。 さらに2023年度は活動延長期間として、本研究で得た知見をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、活動延長期間として、以下の活動を行う。 1 調査活動:新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけの変化に伴い、すべての活動エリアでの調査活動を再開し、本研究の目的を達成する。 2 本研究で得た知見をもとに「シンポジウム」を開催し、集合体におけるPTGの概念について、ディスカッションし、整理を行う。 3 成果をまとめるとともに、学会発表・論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、現地調査として気仙沼・陸前高田方面および福島県浜通りに出向くことができた。 しかしながら、前年度まではコロナ禍の影響を受け、十分な現地調査での対面調査ができず、旅費、物品費等を中心に残額が生じた。 そのため延長申請を行い、2023年度を最終年度として、現地活動を行うとともにモデル提言に向けたシンポジウムの開催を行う費用として充当したいと考える。
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