2022 Fiscal Year Research-status Report
The preventive effects of Roasted tartary buckwheat seed on obesity and diabetes
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20K02355
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Research Institution | Iida Women's Junior College |
Principal Investigator |
友竹 浩之 飯田女子短期大学, 生活科学学科, 教授 (90300136)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | そば加工品 / そばタンパク質 / 胆汁酸結合試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
そばタンパク質は必須アミノ酸含量とバランスが優れた良質のタンパク質とされてきたが、消化性が低いことが欠点であると指摘されてきた。研究代表者らは、そばに含まれる消化抵抗性タンパク質(レジスタントプロテイン)が、脂質代謝改善作用などの有用な機能性をもつことを明らかにしてきた。また、ラットを用いた実験において、そばタンパク質を摂取したラットの糞中胆汁酸排泄が増加することを報告している。本年度は、そば加工品およびその未消化物の胆汁酸結合活性について調べた。 そば加工品は乾燥後、ミルで粉砕したものを試料として用いた。各試料は、タウロコール酸ナトリウムを含むトリス緩衝液に懸濁した後、室温で2時間振とうしながら反応させた。遠心後の上清に含まれる非結合性の胆汁酸量を市販のキットによって測定し、各試料の胆汁酸結合活性を算出した。 そば粉に含まれるレジスタントプロテイン含量は、試料あたり約2%、全タンパク質あたり10~20%だった。そば切り(麺)を加熱調理することで、胆汁酸結合活性がやや増加した。また、そばの実を高圧加熱処理することによって、胆汁酸結合活性がやや増加した。そば抽出物のうち、タンパク質を含む脂溶性画分に強い胆汁酸結合活性がみられた。 以上のことより、そば加工品やそれらの未消化画分は、胆汁酸結合活性を有していることがわかった。そばレジスタントプロテインの脂質代謝改善作用のメカニズムの1つとして、胆汁酸結合活性が関係している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
感染予防のために、動物実験やヒト試験の実施が難しくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
焙煎ダッタンそばの実の肥満・糖尿病予防効果の検証(動物実験) カゼインおよび、カゼイン+焙煎ダッタンそばの実粉末をタンパク質源とした飼料で肥満・糖尿病マウス(KKAy)を8週間飼育する。飼育期間終了後、血液、肝臓、脂肪組織、糞を採取する(血液以外は重量を測定する)。血液、肝臓、糞中成分を分析する。 焙煎ダッタンそばの実の肥満予防効果の検証(ヒト介入試験) 対象者は一般成人約50名とする。介入前の測定として、対象者の身長、体重、体脂肪、筋肉量、腹囲を測定する。対象者には、8週間、毎日、毎食5g(小さじ2程度)の焙煎そばの実を摂取してもらう。記録表に以下の項目について、毎日記入してもらう。(体重、腹囲、体調、排便状況、便のかたさ、お腹の張り)介入後の測定として、介入前と同じ項目を測定する。
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Causes of Carryover |
研究遂行の想定以上に時間を要したため、次年度使用額が生じた。 次年度は未実施の動物実験とヒト試験を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)