2020 Fiscal Year Research-status Report
Ameliorative effect of serum vitamin D on symptoms in children with autism spectrum disorder
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20K02356
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Research Institution | Kyoto Bunkyo Junior College |
Principal Investigator |
望月 美也子 京都文教短期大学, 食物栄養学科, 准教授 (20367858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 昇 同志社女子大学, 看護学部, 特任教授 (10156317)
長屋 郁子 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 講師 (10360223)
山田 恭子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (20191314)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ビタミンD / 自閉症スペクトラム障害 / ASD / 発達障害 / 妊婦 / 乳幼児 / 妊娠期栄養 / 小児栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム障害(ASD)などを含む発達障害は、子どもの発達の早い時期から症状が現れ、その発達過程に大きな影響を与えることが広く知られている。ASD児は定型発達児と比較して、血清ビタミンD濃度が不足または欠乏状態であることが海外にて報告されている。近年、世界的にはASD児の血清ビタミンD濃度に関する研究が散見されるようになったが、日本人ASD児の血清ビタミンD濃度の維持が障がいに及ぼす影響を明らかにした報告はない。 そこで、妊娠期からの栄養教育と支援が、母体の血清ビタミンD濃度と児に及ぼす影響を明らかにすることを第一の目的とする。また、ASD児の血清ビタミンD濃度を測定し、ASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度のカットオフ値も検討する。さらに、最終年度は、医療系多職種が連携し、ASD児のビタミンD補充によるASD症状の緩和効果の検討を目的とする。 令和2年度は、妊娠期からの栄養支援による母体の血清ビタミンD濃度欠乏状態の改善と母乳栄養の影響を明らかにすることを計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関へ研究者が入ることによる感染リスクと妊婦の精神的負担を考慮し、対面形式による研究活動を最小限に抑え、非対面形式の非侵襲による研究活動を行った。 具体的には、単胎妊婦を対象者として、尿中ビタミンD濃度を測定し、妊娠時の尿中ビタミンD濃度と新生児の体格との関連を明らかにすることとした。その結果、妊娠初期から妊娠中期の尿中ビタミンD濃度と新生児の頭囲との間に、有意な相関が認められた。一方、新生児の身長・体重・胸囲との間には、いずれの妊娠期においても相関が認められなかった。以上のことから、妊娠初期から中期にかけての母体の血清ビタミンD濃度が、新生児の頭囲の成長に重要な役割を及ぼすことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したとおり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、令和2年度は、医療機関における対面形式による研究活動を最小限に抑え、非対面形式の非侵襲的研究活動を行った。一方、令和3年度に予定をしていたASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度カットオフ値を求めるためのASD児の血清ビタミンD濃度測定は、新型コロナウイルスの感染対策を十分に行い、測定結果を得ることができたため、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したとおり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、令和2年度は、医療機関における対面形式による研究活動を最小限に抑え、非対面形式の非侵襲的研究活動を行っている。一方、令和3年度に予定をしていたASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度カットオフ値を求めるためのASD児の血清ビタミンD濃度測定は、新型コロナウイルスの感染対策を十分に行い、測定結果を得ることができている。今後も、新型コロナウイルスの感染対策を十分に行い、ASD児の血清ビタミンD濃度測定を経時的に行い、経時的変化を追跡する予定である。 また、新型コロナウイルスの感染拡大が収束する方向であれば、新型コロナウイルスの感染対策を十分に行い、妊娠期からの栄養教育と支援が母体の血清ビタミンD濃度と児に及ぼす影響を明らかにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
申請時の令和2年度の計画では、妊娠期からの血清ビタミンD濃度の改善が9ヶ月児に及ぼす影響を明らかにすることとしていた。妊婦および児の身体検査、栄養調査、血液検査、母乳の測定を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、令和2年度は、医療機関における対面形式による研究活動を最小限に抑え、非対面形式の非侵襲的研究活動になってしまったため、使用額に差が生じている。 新型コロナウイルスの感染拡大が収束する方向であれば、令和3年度に新型コロナウイルスの感染対策を十分に行い、妊婦および児の身体検査、栄養調査、血液検査、母乳の測定を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)