2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a consumer education program that introduced the SDGs in "Kid's Town"
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20K02357
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
小田 奈緒美 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (40719910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 珠実 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 教授 (20247604)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 消費者教育 / こどものまち / ミニ・ミュンヘン / SDGs / 消費者教育の体系イメージマップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「こどものまち」にSDGsを取り入れた体験型消費者教育プログラムを開発し、その効果を検証することである。 消費者被害を防ぐためには、主体的な意思決定や選択を促す教育が重要である。ドイツのミニ・ミュンヘンを模倣した「こどものまち」は、2002年以降日本各地で広がりをみせるこどもたちによるまちづくりの遊びである。本研究は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」において、日本の取組は目標5(ジェンダー)、目標12(責任ある生産と消費)、目標13(気候変動)、目標14(海の豊かさ)、目標17(パートナーシップ)の5項目が低いという課題に着目し、体験型消費者教育プログラムにSDGsの要素を盛り込み、持続可能な社会へとつながる「こどものまち」モデルを開発するため調査研究を行う。 本年度は研究計画の基づき、1.国内の「こどものまち」のフィールドワーク、2.消費者教育プログラムを評価するアンケートの設計についてそれぞれ調査及び研究を行った。 1)2021年度に日本で開催された「こどものまち」の視察及び関係者へのヒアリング調査を行い、実施状況や課題を把握した。コロナの影響により、各地の「こどものまち」の開催状況を調査した結果、多くのまちで開催中止となっていることを確認した。また愛知県日進市の「おいでよ!こどものまち」の視察および関係者へのヒアリングを行い、コロナ対策や課題を把握した。 2)これまでの視察や調査結果をもとに、SDGsを取り入れた消費者教育に必要な要素を取り入れた消費者教育プログラム試案をもとに、消費者教育プログラムをプレイベントとして実施した。ここでは、消費者庁から公表されている「消費者教育の体系イメージマップ」を評価指標とし、小学生期の10個の到達目標について確認したところ、10項目のすべての項目がイベント実施後に上昇したことを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、外部者の受け入れをしていないことが多く、特に県外への調査が難しく、視察数は予定より少なかったものの、国内のフィールド調査を定期的に進めていること、及び2021年度に「こどものまち」をプレイベントとして実施し、消費者教育の効果を検証することができたことから、上記の評価とした。 愛知県日進市の「おいでよ!こどものまち」では、視察やヒアリング調査から、特に事業を継続する上での課題の把握とコロナ対策の確認ができたため、体験型消費者教育プログラムを実施する際にも、その知見を活かして実施することができた。 教育イベントとして開催する場合、「こどものまち」本来の良さである遊びの部分が損なわれてしまうことに注意して開催をしたが、振り返りの市民会議では多くの子どもたちは楽しかったと答えており、楽しく学べる教育イベントとしての有効性を参加者の声からも把握することができた。 また、コロナ禍での県外移動の制限や各地でこどものまちイベント開催中止の影響により、全国的な調査はできなかったものの、「こどものまち」オンラインサロンが毎月開催され、主催者や司会をすることで、全国の「こどものまち」関係者との交友を深めることができた。これまで、視察調査や全国子どものまちサミットでしか情報交換をすることができなかったが、Zoomを用いて情報共有をすることができたことは大きな収穫となった。また、現地の場合、イベントの忙しい中調査をすることが多いが、落ち着いてヒアリングを進めやすいことを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.コロナ禍でも安全に実施できるよう、プログラムを一部修正して実施できることを確認する。 2.SDGsを導入した消費者教育プログラムを完成させ、教育効果を得られつつ、実施可能な実践モデルを構築する。 3.調査結果を論文としてまとめ学会誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において「こどものまち」イベントの中止が相次いだことから、国内の視察調査先を、名古屋に絞り調査をしたことから、全体的に旅費を抑えることができた。その分で、次年度各地の視察やヒアリング、オンライン座談会等を実施する計画とした。また、プレイベントとして実施した体験型消費者教育プログラムを修正し、SDGsの要素を多く取り入れた実施方法を確立するため、再度名古屋市内の学童保育と共同し、コロナ対応型の消費者教育イベントを行い、検証をする予定である。また、その際のボランティアスタッフの養成方法も同時に検討を進める予定である。
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