2020 Fiscal Year Research-status Report
知的障害特別支援学校高等部における家庭科の授業開発
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20K02366
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
八幡 彩子 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90259763)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特別支援学校高等部 / 家庭科 / 知的障がい / ICT / 遠隔授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
特別支援学校高等部における家庭科は、学校卒業後の生活の自立を高める観点から、重要な教科と位置づけられている。令和2年度、熊本大学教育学部附属特別支援学校(以下「熊大附特」)では、新型コロナウイルス感染拡大防止に留意した遠隔授業とGIGAスクール構想を先導するICTを活用した授業実践に取り組んだ。令和2年度の熊大附特高等部1年における家庭科の授業実践を分析することにより、知的障がい特別支援学校における遠隔授業に効果的な教育情報化の手法について考察した。 研究の方法は、令和2年度に実施された熊大附特高等部1年の家庭科の授業を分析対象とする。授業者は、同校教諭倉田沙耶香(高等部1年担任)、分析・考察者は八幡である。授業の様子をビデオ等に録画するとともに、Microsoft Teamsを活用しながら、コロナ禍での学校現場との共同研究を進めた。 おもな結果は以下の通り。(1)熊大附特では,新型コロナ感染拡大防止に伴う臨時休校期間(2020年3月~5月)中、ビデオ会議システムZoomやYouTube等を活用して遠隔授業を実施した。その経験が、2020年6月以降の学校再開後、ICTを活用した授業に生かされ、効果を発揮したと考える。熊大附特高等部では、就学奨励費による1人1台端末の実現が早かった。その結果、熊大附特高等部では、Zoomやロイロノート・スクール、NHK for School等をインストールしたタブレット端末を整備し、臨時休校期間中の自宅学習でも活用できた。(2)家庭科における問題解決力を高めるためのツールとして、端末を活用して情報を得たり、比較検討したり、学校と家庭での実践のやり取りを行ったりする上で、ロイロノート・スクールが有効であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度(2020年度)まで熊大附属特別支援学校長の職務にあり、同校研究発表会に向けた家庭科の授業研究に協働で取り組むことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
熊大附属特別支援学校長の任期が終了したため、令和3年度から、同校に足を運んだり、家庭科の授業実践に関する情報を得たりする機会が減少することが予想される。連絡を密に取ることで、実践研究、授業分析の促進につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大防止のため、発表を予定していた学会がオンライン開催となり、出張旅費の使用が生じなかったため。
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Research Products
(1 results)