2023 Fiscal Year Research-status Report
知的障害特別支援学校高等部における家庭科の授業開発
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20K02366
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
八幡 彩子 (谷口彩子) 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90259763)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特別支援学校高等部 / 家庭科 / 情報活用能力 / 食品の選択 / 消費生活 / 生活設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度も、熊本大学教育学部附属特別支援学校高等部において、1~3年次の家庭科の授業を参観・記録し、分析・考察を行った。おもな実績は以下の通り。 (1)令和5年6月に行われた熊大附特高等部第2学年では、食品の選択に関する授業(「特別支援学校高等部学習指導要領」第2章第2節第1款〔家庭〕(1段階・2段階)内容B「イ 日常食の調理」)が行われた。冒頭で、家庭科における「生活の営みに係る見方・考え方」ならびにSDGsの視点と関連について把握を行い、本時の授業の流れを確認しており、生徒に学習の視点と見通しを持たせるための導入段階の配慮が行き届いていた。さらに、「賞味期限」と「消費期限」の違いを学んだ後、それらの概念を活用(適用)して、トマト、きゅうりなどの野菜の選び方を端末を使って実際に「選択」する授業が行われた。野菜の実物ではなく、端末・モニターを用いて写真・映像による野菜の色や形状などの視覚情報を根拠に、食品が新鮮かどうかを「判断」する授業は、知的障がいがある生徒に適した学習方法と考えられる。 (2)令和5年10月に、高等部第1学年と第3学年で行われた消費者教育の授業は、それぞれ一般社団法人全国銀行協会と熊本県消費生活課(消費生活センター)からゲストティーチャーが招かれ、いずれも卒業後の生活に関わるリアルな題材設定で、高等部の生徒が学ぶ意義がある授業であった。特に前者においては、特別支援学校以外の一般高校においても現行教育課程で充実が求められる「生活設計」を題材とするもので、全国銀行協会ならではの家計収支に関するデータをふまえ、カードゲームを用いて学ぶ提案性のある授業であった。知的障がいのある生徒の学習の様子に着目したが、ゲストティーチャーと学級担任との適切な連携・支援により、特別支援学校における「生活設計」の授業モデルになりうる授業実践であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
補助事業期間に、新型コロナの影響を受け、授業実践校への立ち入りが難しかったこと、授業観察が可能になってからも、同校における調理実習等の授業を実施することが困難であったため。さらに、令和5年度、文部科学省の委託事業2件の立案者として事業実施に関わることとなったため、本研究のための十分な時間が確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
残す作業は、特別支援学校高等部において実施された授業の分析とそれらのとりまとめ(報告書作成)である。今年度は他のプロジェクトに関わる予定はないため、時間の確保は可能である。
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Causes of Carryover |
令和5年度、文部科学省の委託事業(単年度事業)に2件採択され、立案者として関わる必要性が生じ、本研究への時間が確保できなかったため。
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Research Products
(1 results)