2021 Fiscal Year Research-status Report
地域性に基づいた住宅および医療・福祉分野の連携による居住支援システムの構築
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20K02369
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
吉田 倫子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (00326422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 居住支援団体 / 居住支援要配慮者 / 広島県 |
Outline of Annual Research Achievements |
公営住宅の現状を統計分析を行い、居住支援要配慮者の現状を把握した。さらに、居住支援団体の事業の内容を先進事例から把握した。 公営住宅については平成30年度住宅・土地統計調査をもとに分析を行った。広島県を対象として、市町村区分でデータ入手可能な20自治体(広島市においては8区を対象)、27件である。住戸数が多いほど全住戸に占める借家の割合が上昇し、全借家に占める公営借家の割合が下がる傾向が見られた。民営借家の住戸数に比例して、民営借家1㎡当たりの家賃が大きくなる。また、公営借家の住戸数800戸以上ある自治体では、1㎡当たりの公営住宅家賃の月額平均は400円前後である。しかし、公営借家が500戸以下の自治体では、同月額平均が100円~600円と自治体により差異が見られた。自治体により、借家の入居者像が異なると考える。 また、居住支援団体に対するインタビュー調査では、居住支援団体が不動産管理業者と連携して、居住支援を行っている事例が見られた。また、旅館を改修して、居住支援要配慮者を受け入れる仕組みがあった。居住支援団体は多様な連携先を確保していることが分かった。さらに、居住支援で重要な点として食事の提供が示された。食事の提供では、利用者が足を運び、食堂で食事をする機会を設けるなど、福祉サービスに該当しない利用者を対象として独自のサービスを提供し、見守りを行っていた。居住支援を積極的に行う団体では、創意工夫して事業展開し、本当に必要な居住支援を行っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度においても、統計データに基づいての調査を実施した。 インタビューの実施を検討したが、感染症に対する大学の活動基準により、出張等の実施が大幅に制約を受けた。そのため、インタビューの実施が計画通りに進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の進め方としては、再度インタビュー対象を選定し、大学の活動基準を注視しながら、適切な時期に実施できるよう入念に準備を進める。 また、統計的に把握した自治体分析をもとに、自治体における実情を把握する質問紙調査を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査での謝金および旅費の使用が、大学の行動制限のために、十分に行えなかったことにより、当初の予定より使用額が大幅に減額したため、繰り越しを行うこととなった。次年度は、インタビュー調査の旅費及び謝金で使用するほかに、データ分析のためのパソコンソフトを購入する予定である。
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