2021 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアシステム推進に向けた高齢者向け住宅における食事・栄養支援モデルの構築
Project/Area Number |
20K02371
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
細山田 洋子 関東学院大学, 栄養学部, 教授 (40581848)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / サービス付き高齢者住宅 / 地域包括ケアシステム / 低栄養 / 食事サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者向け住宅は、地域包括ケアシステムの中心に位置付けられていて施設数も急増している。本研究は、自宅以外の在宅として多様化している高齢者向け住宅の特に食事や栄養支援に着目した研究である。 昨年度、データベース化に着手した高齢者向け住宅の基本情報について、食事に関する項目を中心に分析を行った。当初予定していた対象施設に訪問して実施するヒアリング調査は、コロナウイルス感染症拡大の影響により実態調査の実施が困難になったことから、データベースを用いた分析結果をもとに質問紙調査を先行することとした。質問紙調査の項目は、調査協力施設のサービス付き高齢者住宅住宅の管理者と介護老人保健施設の管理栄養士と共に精査した。また、本研究に先駆けて実施した、サービス付き高齢者向け住宅入居者を対象とした栄養状態別の身体的要因に関する研究についてデータ分析をし学会にて報告した。栄養状態の評価は、MNA-SFを用いた。身体的要因の評価は、Inbody測定とロコモ度テストとした。ロコモ度は、理学療法士の立会いのもと、立ち上がりテストと2ステップテストを実施し判定した。SMI値によるサルコペニア予備軍は36.0%、ロコモ度1が43.0%、ロコモ度2が57.0%であった。MNA-SFの結果、「栄養状態良好」64.2%、「低栄養リスク」35.8%であった。栄養状態別の検討では、75歳以上の嚥下状態評価と体系の自己認識について有意差が認められた(p<0.05)。食品摂取の多様性(男性)と食欲(女性)は有意傾向であった(p<0.1)。本研究の結果から、サービス付き高齢者住宅入居者の低栄養リスク者が35.8%、サルコペニア予備軍36.0%、移動機能の低下が進行した者57.0%であり、低栄養状態が潜在化している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症拡大の影響により、移動制限や高齢者向け住宅への立ち入り制限があることから、高齢者向け住宅への訪問が難しい状況である。予定していた入居者の実態把握やデータ収集が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症の状況をふまえ、実現可能な調査方法を引き続き検討すると共に、計画の見直しを視野に入れて研究を進める。また、調査協力施設とは継続して連絡を取り、実施方法を相談のうえ、可能な限り訪問して調査研究を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症拡大により、現地での訪問調査や研究成果発表のための移動が制限されたため、使用計画に大幅な変更があった。今後は、データ入力、質問紙調査や現地調査に加え、成果発表費用に充当する予定である。
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