2020 Fiscal Year Research-status Report
カンボジア初等中等家庭科のカリキュラムに関する開発支援
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20K02375
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
楠 幹江 安田女子大学, 家政学部, 教授 (40071609)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カンボジア / 家庭科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
カンボジアでは、現在、種々な外国支援を受けながら、国際基準を満たすべく教育開発が行われている。しかし、現実は非常に厳しく、家庭科においても、教科の位置づけは明確でない。2020年度において本研究では、カンボジアの高等学校における家庭科教育の推進を図るために、教科書内容分析を行い、現状の分析並びに課題について検討した。以下の点が明らかとなった。1)カンボジアにおける家庭科は、前期中等教育において初めて行われ、社会科の一分野として扱われている。すなわち、社会科は、地理、歴史、道徳・公民、経済・家庭の4領域から成り立っている。2)高等学校の社会科教科書において、いわゆる家庭科の内容を示しているのは、高等学校1年生の教科書のみである。記載頁数の割合は、地理25.3%、歴史26.8%、道徳・公民24.7%、家庭・経済24.2%となっており、4領域がほぼ等しい割合で記述されている。3)高等学校の社会科教科書における家庭科領域は、日本の教科書における経済生活を中心に編集されている。日本の教科書において、半数近くのページ数が使用されている衣、食、住の内容は、ほとんど記載されていない。4)カンボジアの生徒にとって、衣、食、住に関する知識や技術は、中学校教科書における記載が全てであるが、その内容は乏しく、大部分が、家事技術の記載である。このような事実から、カンボジアの家庭科教育の推進を図るためには、まず、中学校家庭科教科書の内容を整備し、その上で、系統的に高等学校家庭科教科書を充実させる必要があると考えられ、次年度以降は上記のような課題に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界的なコロナウィルスの影響を受け、本研究もカンボジアでの現地調査等の渡航ができない状況が続いている。当初の計画では、現地での調査ならびに模擬授業の実践などを行い分析する計画であったがそれらの進捗ができていない状況である。そのため、2020年度には、これまでに収集した関連資料、中でもカンボジアの高校の社会科教科書、に記載されている家庭科教育に関連する内容の翻訳・分析を中心に進めた。これらの分析結果を基に、今後は、中学校家庭科教科書の内容を整備し、その上で、系統的に高等学校家庭科教科書を充実させるための研究を進め、研究課題に取り組む。
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Strategy for Future Research Activity |
カンボジアにおける初等中等教育の家庭科のカリキュラムを検証するために、まず、小中高で行われている家庭科授業の現状を把握し、問題点を指摘する。また、現行の教科書の分析を行い、その内容を整理する。生活環境の問題を生徒自らが発見し解決するために、カンボジアの文化や歴史を反映した特色あるカリキュラムを検証する。作成したカリキュラムの有効性を分析するために、小中高において、家庭科教育実践を行う。時間的な制約があるために、主に衣分野について行う。すなわち、衣生活については、衣服の役割、衣生活のライフスタイル、衣服の手入れと管理、暑さ寒さと衣服、の項目を生徒に理解させ実践できるか、その効果を検証する。検証の方法として、教員・生徒を対象としたアンケート調査を行う。調査項目は、理解度や実践性を尋ねるものとし、インタビュー調査で行う。以上のような研究を通じて当該研究課題に取り組む。
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Causes of Carryover |
世界的なコロナウィルスの影響を受け、本研究もカンボジアでの現地調査等の渡航ができない状況が続いている。当初の計画では、現地での調査ならびに模擬授業の実践などを行うための渡航費等を計上していたがそれを次年度以降に変更する必要が生じたため。
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