2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative antimicrobial deodorant with low risk and low environmental impact from Artemisia sp.
Project/Area Number |
20K02377
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
高屋 朋彰 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90515553)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヨモギ属植物 / Artemisia / 抗菌効果 / デオドラント作用 / 環境低負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、生活(浴用・食用)に活用されているヨモギ属から、腋臭原因菌を選択的に抑制する耐熱性・親水性の新奇抗菌成分を見出した。本研究では見出した抗菌成分について、[1]精製・同定を行い、[2]その抗菌性や安全性を評価した。3年目である2022年度は、腋臭原因菌を選択的に抑制するヨモギ由来新奇抗菌成分の更なる精製条件の検討、および、多層培養ヒト表皮モデルを用いたin vitro実験系による新奇抗菌成分の安全性評価を目的とした。その結果、以下の結果が得られた。(1)2021年度に部分精製に成功していた抗菌成分について、複数のHILICカラムを用いた更なる精製を行った結果、HILICpak VC-50 2D (2.0 × 150 mm)を用いた場合にLC-MSによる抗菌成分のさらなる分離・精製が可能となることを明らかにした。(2)寒天平板拡散法と段階希釈法を用いて、Anaerococcus prevotii JCM 6490およびStaphylococcus epidermidis JCM 2414Tに対するヨモギ由来抗菌成分(粗精製画分)の抗菌性評価を行った。その結果、5.0 mg/mLの濃度でA. prevotii JCM 6490の生育を阻害したのに対し、皮膚常在菌(S. epidermidis JCM 2414T)の生育は阻害しなかった。(3)多層培養ヒト表皮モデルを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG439)によるヨモギ由来抗菌成分(粗精製画分)の安全性評価を行った結果、10 mg/mLの濃度においても皮膚刺激性は確認されなかった。以上の結果から、見出したヨモギ由来新奇抗菌成分はヒト皮膚に対する影響を及ぼさない濃度で、腋臭原因菌のみを選択的に抗菌できることが示唆された。今後、ヨモギ由来抗菌成分の最終精製を行い、その最小発育阻止濃度(MIC)を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)