2020 Fiscal Year Research-status Report
生活設計の観点からみる高齢者の引退・退職経験とその後の生活の変化
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20K02381
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
李 秀眞 弘前大学, 教育学部, 准教授 (30588926)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中高年層 / 家計構造 / 生活満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本を含む5か国の20~50代壮年層を対象に幸福寿命(健康、経済的安定、社会的活動、人間関係を基盤として幸福に過ごせる期間)について調査した結果、期待寿命と幸福寿命間の格差がもっとも長いのは日本(9.5年)であった(ソウル大学の老年・引退研究所,2017)。人生の最後まで生涯現役として生きるために、健康、経済的安定、社会的活動、人間関係の側面からの老後準備の必要性が示唆された。 平均寿命が長くなり、ライフステージ上の高齢期が長くなったがうえに、経済問題をはじめ、健康問題、役割喪失から起因する心理的問題等、多様な生活問題を経験する高齢者にとって、高齢期の過ごし方への解答を見つけることは簡単ではない。また、本研究では、「引退・退職」という生活イベントの経験前後の家計構造(所得および消費構造の変化類型)および生活時間配分類型を明らかにすることを目的として分析を行った。 分析に用いるデータは、慶応義塾家計パネル調査(2004~2016年度)である。本研究では、引退および退職経験がある満50歳以上の回答者を分的対象とする。中高年層の単身世帯と中高年層の二人以上世帯の家計と生活満足度を比較した。40代の単身世帯は、住居満足度および余暇時間の長さに対する満足度が低いが、その原因は家計構造から探ることが可能であった。すなわち、40代の単身世帯は、生活費の中に住居費(家賃)が占める割合が非常に高いこと、就業による収入の割合が低いことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度には、分析データを確保し想定の研究分析を行うことができ、現在学会誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には、令和2年度の分析結果を踏まえ、日本と韓国の比較の視点で研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 予定していた資料収集の日程を遅らせたことにより、資料収集にかかる費用を執行しなかったたため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 令和3年度には、資料収集を綿密に行う予定であるため、そのためのの経費として使用予定である。
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