2023 Fiscal Year Annual Research Report
和菓子の意匠・色彩・形状に関する研究―伝統の製法と現代技術を融合した食文化教材―
Project/Area Number |
20K02385
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
村上 陽子 静岡大学, 教育学部, 教授 (40284335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室伏 春樹 静岡大学, 教育学部, 講師 (30609293)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 和菓子 / 意匠 / 形状 / 型物 |
Outline of Annual Research Achievements |
食における色の効果を大切にしてきた我が国には,和菓子という伝統的な菓子がある。和菓子には,季節や行事により種類・色・形・材料などが使い分けられるなど,他国の菓子には見られない特徴を持つ。一方,現代においては,食における色彩は軽視される傾向にある。加えて,和菓子の喫食頻度は減少傾向にあり,食文化の継承という面において懸念すべき状況にある。本研究では,和菓子の意匠・色彩・形状について研究を行った。その目的は,第一に,和菓子の意匠・色彩・形状の関連性を解明すること,第二に,伝統の技と現代的技術の融合による食文化教材を作成し実践すること,第三に,これらにより食文化の回帰と継承を目指すことである。本研究では,色の美しさが特徴であり,色の配色や形の変化により季節感や造形美を表現できる,練り切りやこなし,干菓子などの和菓子に着目した。これら和菓子を様体系的に分類し,製法と物理特性,食嗜好性の関係性について検討した。また,菓子型を3Dプリンターで成形し,これを用いて和菓子を作成し,その物理特性や食嗜好性を検討した。その結果,和菓子の意匠をみると,植物や魚や動物などの様々な意匠によって,季節の到来や季節感が表現されていた。季節や菓子の種類によって,用いられる型が異なっていた。菓子型の使用状況については,菓子型を使わずに作る「手形もの」の方が,型を使って作る「型もの」より多かった。干菓子については,木型を用いる打ち物が最も多かった。型の使用の有無や型の形状により,物理特性や食嗜好性に相違が見られた。
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[Book] 食育事典2023
Author(s)
日本食育学会編
Total Pages
432
Publisher
丸善書店
ISBN
978-4-621-30814-1