2022 Fiscal Year Research-status Report
自宅における認知症ケアと予防に役立つ料理療法プログラムの開発と効果評価
Project/Area Number |
20K02387
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
湯川 夏子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (40259510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛 勝彦 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (30324726)
明神 千穂 近畿大学, 農学部, 講師 (90529752)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症ケア / 認知症予防 / 料理療法 / 調理 / お菓子作り / 調理音 / コロナ禍 |
Outline of Annual Research Achievements |
「料理をすること」は,人をいきいきとさせ,情緒の安定や,自信ややる気をよびさまし,認知症ケアや予防に役立つ。このような料理活動を支援する方策を「料理療法」として構築することを最終目的としている。現在日本の高齢者・認知症ケアは,施設から地域・自宅へ重点が移行しつつある。そこで,本研究期間中には,自宅・個人に対する料理療法について①先進事例の調査と支援プログラム開発,②料理療法の効果について明らかにすることが目的であった。しかし,コロナ禍の影響のため,高齢者関連機関への新規の調査を行うことは困難であると判断し,この研究方針を大きく変更している。 2021年度に,料理療法の基礎的知見を得るため「料理すること」の効果に関する研究を2件実施した。「お菓子作りの価値的意義」について半構造化インタビューにより明らかにした。次に,調理音と食欲の関係について明らかにした。調理音が人に「快適性」を感じさせ料理への想像を膨らますため食欲が増進することが示唆された。2022年度はこれらの結果を成果発表にむけて精査を行った。 2022年度も引き続きコロナの影響で高齢者施設の料理活動は制限されている状況が多くみられたため,コロナ禍における料理活動の状況を調査することとした。質問紙および聞き取り調査で,コロナ禍での料理活動実施状況,実施可能な方法や,メニュー,参加者の様子などを分析し,その問題点と課題及び改善策について明らかにする予定である。質問紙の準備や調査先のリストを作成したが,本調査は2023年度の予定である。 また,自宅・個人に対する料理療法についての先進事例について,数件,聞き取り調査を開始することができた。支援プログラム開発にむけて,今後さらに調査を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
自宅・個人に対する料理療法について 先進事例の調査として,聞き取り調査,観察調査を進める予定であった。しかし,コロナ禍の影響のため,料理活動は自粛している場合も多く,また高齢者関連機関自体への新規の調査は困難であると判断し,大きく研究方針を変更せざるを得なかった。 代わりに,2021年度は「料理すること」の効果に関する研究を2件おこなった。これらについては,予定どおり調査および実験が実施でき,基礎的知見を得ることができた。2022年度はその成果発表を行う予定であったが,校務の多忙さにより成果発表に至っていない。 また,コロナ禍の料理活動の状況についても2022年度に調査を予定していたが,延期になった。2023年度に実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に予定していた「料理すること」の効果についての研究成果発表を行う。また,コロナ禍における料理活動の実態についての高齢者関連機関への質問紙および聞き取り調査については,調査を実施し,結果の解析・考察を行う予定である。この調査により,支援方法の困難さや工夫などを明らかにし,支援方法の確立に寄与したい。 自宅・個人に対する料理療法についての先進事例については,ようやく聞き取り調査を開始することができた。2023年度には,聞き取りを継続し,成果や課題を明確にしていきたい。
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Causes of Carryover |
初年度において,高齢者施設への聞き取り調査および観察調査等を予定していたが,これまでの施設における研究成果の解析に計画を変更した。これらはすでに保有の設備で実施できたため,経費をほとんど使用せず,次年度繰越が引き続き生じている。さらにこの3年間,資料収集および成果発表として参加予定であった学会の全国大会がほとんどオンラインの実施に変更になった。研究代表者および研究分担者共に,旅費として計上していたこれらの経費が次年度使用へ繰り越しとなった。 また,2022年度に予定していたコロナ禍における料理活動の実態についての質問紙および聞き取り調査が,1年延期になった。その調査費用(郵送料,オンライン通信費,謝金,解析ソフト代金)が繰越となった。2023年度に実施予定である。また,その結果をまとめた報告会の開催や,報告冊子の作成に費用に充てる。 「料理すること」の効果に関する調査も継続する予定である。文献検索費用等に使用する予定である。
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