2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on utilization method of vacant buildings in residential area by precautionary approach
Project/Area Number |
20K02395
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
高橋 大輔 共立女子大学, 家政学部, 教授 (50321394)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 空き家 / 地域の居場所 / ソーシャルインクルージョン / 郊外住宅地 / 合意形成 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、これまでの2年間の集大成ともいえる以上の成果と知見を得ることが出来た。 調布市における空き家では、その場所を地域の居場所として運営できるポテンシャルを持っている事業者を選定するためにプロポーザルコンペを行った。その理由としては、行政や社会福祉協議会などがサポートして行っている空き家活用の先行事例においても、結局は補助金頼りになり、運営が長続きしないケースが非常に多いことが、本研究を進めていく過程において明らかになったためである。そこで、あえて選定条件を非常に高く設定することで、短期的・長期的な活動ビジョンを持っている2事業者を選定することができた。ひとつは子ども向けのアート教育、もうひとつはプラスティックリサイクルしたものをアートに再生するSDGs活動を行う事業者である。彼らは地域に自分たちの活動をPRしつつ、運営資金をつくり出すことが出来、その2事業者に社会貢献活動として「まちライブラリー」が加わることで、「富士見BASE」と名付けられたまちの居場所には、多様な属性の人たちが訪れる場となった。 この3つのプログラムが同時に運用可能となったのは、「富士見BASE」の規模と空間構成によるところが大きい。この場所は所有者の意向により2022年度末で移転することになったが、これまでの成果を用いて2023年度より調布市内の別の空き家を地域の居場所として運用開始することが決定している。後者は規模がこれまでの約2倍となるため、1階には社会福祉協議会と事業者が管理する場所が共存することで「地域の居場所」として役割を、2階は事業者が運営資金をつくり出すためのコンテンツを運営する場所としてアトリエや工房、シェアオフィスが入ることになっている。これらの計画が短期間で円滑に実装と自走ができたのも、関係者同士の綿密な連携が根底にあり、フラットな意見交換の場を形成したことであるといえよう。
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Remarks |
研究期間内における活動については、一般財団法人地域活性化センターにおいて地方自治体の行政職員が空き家利用を行う際の知見として毎年レクチャーを行うとともに、各年度2回ずつZoomによる進捗状況報告を行った。また住宅新報ではこれらの活動が継続的に記事として取り上げられている。
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