2020 Fiscal Year Research-status Report
Child poverty in early childhood and preventive and educational parenting support measures from home economics perspective.
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20K02399
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
岩崎 香織 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (00641458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 香子 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 准教授 (30789384)
寺崎 里水 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70432028)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育 / 養育環境 / 養育態度 / 幼児期 / 貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、育児期の多忙な生活や子育ての現状を明らかにし、保護者の教育歴や生活歴との関連から、保護者の支援ニーズを検討し、家政学的視点から子育て支援教育プログラムを開発することを目的とする。 2020年度は、共働き世帯の支援ニーズの把握(質問紙調査)のため、首都圏調査のデータ入力と協力園への研究成果報告、地方都市調査の調査依頼を行った。 首都圏調査は、対象地域の保育所を利用する3歳以上児の25%を対象とし[実施時期:令和元年11月~12月、対象者:埼玉県A市公立・私立保育所(公立30園、私立24園)54園に在籍する年少~年長児の保護者3345名]、回収数1830票(有効回収率54.7%)と質の高いデータが得られた。 首都圏調査の分析から、回答者の 93.2%が母親であり、園の送迎や登園準備を「主に自分が行う」が6割以上と、育児が母親に偏る現状が確認された。園生活での心配事は、「心配なことはない」43.0%が最も多く、「偏食」9.5%、「体調を崩しやすい」8.3%、「発達の遅れ」7.5%等の健康を心配をする保護者が約1割いた。野菜を「毎食食べる」子どもは、45.0%。平日に子どもと「ほとんど遊ばない」保護者は、14.2%。「医療機関で受診させたほうがよいと思ったが、実際には受診させなかった」10.8%。「経済的理由のためにあなたの世帯にないもの」は、「インターネットにつながるパソコン」10.1%、「子どもが遊びや学習に集中できる場所」8.7%、「急な出費のための貯金(5万円以上)」7.9%等が挙げられた。保育料無償化の影響(複数回答)で最も多かった回答は、「子育ての費用や教育費を充実することができる」38.5%であった。 対象者の約1割が育児に強い負担感を持っており、経済的支援以外に育児期のQOLを高める教育的支援ニーズ(例:栄養バランス、家計・生活時間の管理等)があると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では、2020年度に共働き世帯の支援ニーズの把握のための質問紙調査(地方都市調査)の実施を予定していたが、研究代表者・分担者が首都圏在住・勤務者であったため、2020年度前期の緊急事態宣言及び新型コロナウィルスの感染防止対策により、県をまたぐ移動が困難となり、対象地域(栃木県)への調査依頼が2020年度後期にずれ込んだ。 首都圏調査のデータ入力作業も2020年度後期にずれ込み、分析と研究成果報告にも遅れが生じた。(首都圏調査の協力園への研究成果報告は、実施済み) ただし、2020年度後期には、地方都市質問紙調査(栃木県)の依頼も完了し、2021年6月の実施が決定した(予算については、2020年度繰越金を活用)。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、期間全体を通して4つの調査・研究を計画している(a.共働き世帯の支援ニーズの把握2020~2021年度、b.保育所の支援のあり方の検討2020~2022年度、c.子育て支援に関する理論・方法論の調査2022~2023年度、d.学習プログラムおよび教材開発2022~2023年度)。 2021年度は、昨年度実施予定であったa.共働き世帯の支援ニーズの把握のための質問紙調査(栃木県栃木市)は、2021年6月に実施する。 また、b.保育所支援のあり方の検討に関しては、2021年度以降に保育所等を対象に参与観察とインタビュー調査実施を計画しているが、新型コロナウィルスの感染状況やワクチン接種の状況等を検討し、実施が難しくなった場合には、2022年度以降に調査の実施を延期する。 また、2022年度以降に計画されていたc.子育て支援に関する理論・方法論の調査やd.学習プログラムおよび教材開発は、新型コロナウィルスの感染状況に左右されにくい研究内容であるため、必要な限り前倒しで実施を進め、研究期間全体を通して計画計画が遂行されるようにする。
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Causes of Carryover |
本研究の研究計画では、2020年度に「共働き世帯の支援ニーズの把握」のための地方都市調査(質問紙調査)を実施する計画であったが、緊急事態宣言や新型コロナウィルスの感染防止対策のため、2020年度前期は県をまたぐ移動が困難となり、調査依頼(栃木県B市)が予定よりも半年間遅れ、上記調査の実施が2021年度にずれ込んだ。 次年度使用額(370,130円)は、地方都市調査(2021年6月実施決定)の実施費用として使用を計画している。
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Research Products
(1 results)