2021 Fiscal Year Research-status Report
Child poverty in early childhood and preventive and educational parenting support measures from home economics perspective.
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20K02399
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
岩崎 香織 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (00641458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比 香子 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 准教授 (30789384)
寺崎 里水 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70432028)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育 / 養育環境 / 養育態度 / 幼児期 / 貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、育児期の多忙な生活や子育ての現状を明らかにし、保護者の教育歴や生活歴との関連から保護者の支援ニーズを検討し、家政学的視点から子育て支援教育プログラムを開発することを目的とする。 2021年度は、首都圏調査の分析・成果発表と地方都市調査の実施・データ入力・結果戻し、子育て支援講座を実施した(12月18日、於:國學院大學栃木短期大学、講師:日比香子)。 地方都市調査は、2021年6月に栃木県B市の公立・私立保育所・認定こども園(保育所14園、認定こども園17園)31園に在籍する年少~年長児の保護者3095名を対象に無記名自記式の質問紙調査を実施した。同市内認可保育所・認定こども園の97%の園を調査対象としており、一地方都市に限定されるが、全数調査に近い非常に質の高いデータが得られた(回収数2306票、有効回収率74.5%)。 首都圏調査の分析から、対象者の基本的生活習慣(特に「はしを正しく持って使う」「朝排便してから登園する」「自分で歯を磨く」「お風呂で自分の体を洗う」の4項目)を先行研究と比較した場合に獲得率退行の傾向が確認された。また、6歳児までに「身についている」割合が70%以上となった基本的生活習慣は、「朝食の摂取」「自分で衣服を着る」「自分で歯を磨く」のみであった。家庭の社会経済的背景(SES)別分析の結果から、「習い事や通信教育に取り組む(練習する)」、「絵本を読む」で、SESが高いほどする、低いほどしない傾向が確認できた。朝食は、全体の92.4%が「ほぼ毎日食べている(週に6~7日)」と回答し、LowestとHighestとの間には10ポイント近い差があった。「自分一人で子どもを育てているという圧迫感を感じてしまう」という項目は、Lowestで肯定する割合が有意に高かった。この項目以外にSESによる顕著な差はなく、どのグループもほぼ同様にストレスを感じていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、期間全体を通して4つの調査・研究を計画している(a.共働き世帯の支援ニーズの把握2020~2021年度、b.保育所の支援のあり方の検討2020~2022年度、c.子育て支援に関する理論・方法論の調査2022~2023年度、d.学習プログラムおよび教材開発2022~2023年度)。 a.共働き世帯の支援ニーズの把握のための質問紙調査は、2021年6月に地方都市質問紙調査(栃木県)を研究計画通りに実施することができた。ただし、研究成果の発表については、世界的な新型コロナウィルスの感染状況により、国内発表に留まり、国際発表を行うことができなかった。 b.保育所支援のあり方の検討に関しては、2021年度以降に保育所等を対象に参与観察とインタビュー調査実施を計画していたが、2021年度は、首都圏だけでなく地方都市においても新型コロナウィルスの感染が拡大したため、少数の園のみ聞き取り調査を実施した。 c.子育て支援に関する理論・方法論の調査やd.学習プログラムおよび教材開発は、前倒しで実施を進め、2021年12月に第1回子育て支援講座を開催することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、期間全体を通して4つの調査・研究を計画している(a.共働き世帯の支援ニーズの把握2020~2021年度、b.保育所の支援のあり方の検討2020~2022年度、c.子育て支援に関する理論・方法論の調査2022~2023年度、d.学習プログラムおよび教材開発2022~2023年度)。 a.共働き世帯の支援ニーズの把握のための質問紙調査は、首都圏調査と地方都市調査データの分析と成果発表を進める。 b.保育所支援のあり方の検討に関しては、2022年度に保育所等を対象に参与観察とインタビュー調査実施を計画しているが、新型コロナウィルスの感染状況やワクチン接種の状況等を検討し、実施が難しくなった場合には、対面での調査実施を中止し、電話やオンラインでの対応を検討する。 c.子育て支援に関する理論・方法論の調査やd.学習プログラムおよび教材開発は、新型コロナウィルスの感染防止に努め、子育て支援講座を実施すると共に、非接触で使用できる学習プログラムや教材開発に注力する。
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Causes of Carryover |
研究計画としては、2021年度に研究成果発表のため国際学会に参加予定であったが、新型コロナウィルスの感染防止対策のため、国内学会での成果発表のみを行ったため、2021年度交付金については、残金(217,145円)が生じた。2021年度交付金の残金は、2022年度の研究成果発表(旅費、投稿料、英文校閲等)と質問紙調査の協力園に対する結果パンフレットの作成・配布(印刷・送付料)に使用する計画である。
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Research Products
(6 results)