2021 Fiscal Year Research-status Report
Changes in the type of family finance management and, its determinants in couples with children: From the viewpoint of marital companionship
Project/Area Number |
20K02403
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神谷 哲司 東北大学, 教育学研究科, 教授 (60352548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢吹 理恵 東京都市大学, メディア情報学部, 准教授 (30453947)
加藤 道代 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (60312526)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 夫婦 / 家計 / ファイナンス / 伴侶性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題に関連する家計に関する夫婦関係について検討するため,本課題の先行課題である,ファイナンシャル・リテラシーに関する研究から派生した家計管理運営共同性尺度についてのデータ分析を進め,論文化に向けて鋭意執筆に取り掛かった。また,その成果として,「夫婦双方の家計管理運営共同性意識と夫婦関係満足との関連 ―関係焦点型コーピングを制御変数として―」を日本発達心理学会第33回大会において発表を行った。この研究では,「夫婦間葛藤」「夫談義調和」「妻談義調和」「夫自然認識」の4下位尺度からなる家計管理運営共同性尺度が,夫婦間葛藤が高いと夫婦間満足度は低く,他の3下位尺度が高いほど,夫婦関係満足度も高いことが示されていたことを踏まえ,さらに,関係焦点型コーピング(黒澤・加藤,2013)に着目し,関係焦点型コーピングを統制したうえで,家計管理運営共同性意識が夫婦関係満足に関連しているかどうかについて検討することを目的とした。その結果,夫妻共に,関係焦点型コーピングを統制しても家計管理運営共同性尺度は夫婦関係満足に関連していることが示されており,中でも,夫妻共に,家計管理運営に関する「夫婦間葛藤」が,夫婦間の関係焦点型コーピングとはかかわりなく,夫婦関係満足を低下させている可能性あるいは,関係に満足していないからこそ,関係管理運営における夫婦間葛藤を起こしやすい可能性が示された。 並行して,本研究課題である家計管理タイプに関する文献を収集しつつ,上記の日本発達心理学会の大会時など,共同研究者ともオンラインで打ち合わせを行いながら,インタヴュー調査の調査計画の細部を詰めているところである。 その他,研究の実績としては,若島孔文・野口修司(編)『テキスト 家族心理学』 金剛出版に夫婦関係の章についての前文を寄稿し,個計化の進む中での夫婦研究の重要性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度に本務校において,教務委員長を命ぜられ,本務における通例の教務委員長ならびに関連役職,具体的には,全学の学務審議会委員,学務審議会教務委委員会委員,教育情報・評価改善委員会委員,教育FD運営部会委員,学務情報システム運営委員会委員,東北大学教育改革推進会議教育の質保証検討部会委員,データリテラシ共通教育基盤運営委員会委員,全学教育改革対応委員会教職課程委員会準備部会部会長,東北大学全学教育貢献賞選考委員会委員,高等大学院機構大学院改革推進センター運営専門委員会委員などに着任し,関連する事務や会議への出席が求められるとともに教職課程委員会委員長,教育実習実施委員会委員長,教職実践演習運営委員会委員長をも兼任し,さらに,仙台市教職員養成協議会委員,宮城県教職員養成協議会部会構成員として,関連諸機関との情報共有,関係調整なども含め,全学の教育実習,介護等体験,教職実践演習等教職課程に関わる全般的な統括も行うことになった。 さらに,上記の業務は,新型コロナウイルス感染症の影響下において,きめの細やかな対応が求められたこと,部局的にも,2021年度後期より,対面授業への切り替えを行ったことからさらなる業務多忙を招いた。 加えて,令和4年度に始まった全学教育における新カリキュラムに合わせて,学部専門教育のカリキュラムも刷新することとなり,学部カリキュラム検討WGの座長に命ぜられ,令和4年度開始の学部新カリキュラムの作成に奔走した。 上記のような本務校における業務の劇的な増加と,それら初めての業務への理解に膨大な時間を割かざるを得ず,本研究課題の進捗に深刻な影響を与えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,先行課題における夫婦ペアデータの分析を進め論文化を試みるとともに,文献の整理を行い,インタヴュー調査の計画書を夏までに作成する。可能であれば,7月までにインタヴュー調査のパイロットを行い,共同研究者とオンラインで協議を進めつつ,8月から9月の夏季休業中に本調査を実施したい。その成果によって,年度内中の質問紙調査の実施については検討する。
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Causes of Carryover |
本務校における業務量の増大による研究時間の過度の減少により,研究計画通りに進捗しなかったため。
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