2021 Fiscal Year Research-status Report
フィルター回収法による室内塵(ダスト)と空中カビの相関性と住宅環境カビの汚染評価
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20K02412
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
村松 芳多子 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (40320709)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カビ / ダスト / 生活環境 / フィルター |
Outline of Annual Research Achievements |
太平洋側1カ所と内陸側1カ所、および日本海側2カ所における室内環境のカビ汚染測定(落下法、エアーサンプラー法(AS法)、迅速測定可能なパーティクルカウンター法(PC法))した。同時にフィルター回収法による室内塵(ダスト)を収集し、室内環境のカビ動態と住環境の生活特性が明確となる室内塵(ダスト)分析を試みた。昨年度に引き続きカビによる生菌と死菌の簡易測定方法を調査し、迅速測定方法による生・死菌の区別を試み、簡便測定法・評価の指標として使用できる方法を開発検討した。 落下法とAS法おける出現カビの同定・生菌数(CFU)測定に使用した培地PDA培地を使用した。ダストと、フィルターで使用した培地は、好稠性カビを含めて検出することができるM40Y培地を用いた。なお、培養温度と期間は25℃一週間とした。 4カ所のカビ室内塵(ダスト)中のカビCFUの年別・月別推移は、月ごとに変動が多少みられた。ダスト1 gあたりの生菌数(CFU)は、平均すると10の4乗個程度、10×10 cmのフィルター採取方法では平均すると10の4乗個程度であった。今後は、10×10 cm中のダストの質量を検討する必要があると思われた。 昨年度同様、空中落下菌の場合は冬季に減少する傾向があり、ダストやフィルター回収法には空中落下菌のような傾向はみられず、採取期間でほぼ一定傾向であった。ダストとフィルター回収法による検出カビは、1年間の平均をみると60 %類似傾向を示していた。検出カビの相関割合が低い場合は40 %、高い場合は80 %であった。カビ種については、CladosporiumとAspergillusとPenicilliumおよびYeastが高頻度に検出された。なお、各住宅における検出カビの相違とその相関等を今後検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響のため、様々な観点から調査計画を検討せざるを得ない状況にあり、本調査の質問票の検討が遅れた。そのため、本調査を実施できなかった。さらに質問票の内容において、倫理審査を行わなければならず、その内容を入念に確認のために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査は順調に進んでいるため、本実験における質問票の精査を慎重に行い倫理審査を経て実施する予定である。対象者の確保と丁寧な説明が必要になるため、試料採取協力の他研究機関の研究者と事前検討を行いながら実施する方針である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大の状況を鑑み、2021年実施予定の本調査を断念した。翌年(2022)、本調査を実施する計画へ変更したことによる。予備調査は実施済みであり、調査内容等を再検討し、一部変更することで2022年に実施可能な計画とした。質問票による調査と試料採取、およびその検体分析等の費用を2022年に使用する。
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