2023 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of analytical method for non-extractable polyphenols in cereals and its application
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20K02419
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
沖 智之 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60414851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折田 綾音 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (20828173)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非抽出性ポリフェノール / 茶大豆 / 雑豆 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品中のポリフェノールは、健康に良い影響を与えるかもしれないファイトケミカルとして注目されており、ポリフェノールの摂取と健康の維持増進との関連性が解明されつつある。一方、食品中のポリフェノールの分析には、食品からポリフェノールを抽出する操作が不可欠であるが、従来法である酸性の含有有機溶媒では抽出されない非抽出性ポリフェノールの存在が明らかとなってきた。そのため、真のポリフェノール摂取量の把握には、非抽出性ポリフェノールの存在を考慮する必要がある。そこで本研究課題では、国内において摂取量が多い穀類中の非抽出性ポリフェノールの分析法を確立し、穀類とその調理加工品の非抽出性ポリフェノールの量を明らかにすることを目的としている。 2023年度は、雑豆の種皮中における、抽出性および非抽出性ポリフェノール量を酸加水分解法で測定した。抽出性ポリフェノール量は紫花豆で最も多く、最も少ない赤えんどう豆の約8.3倍であった。非抽出性ポリフェノール量は、黒ささげ豆で最も多く、最も少ないレッドキドニー豆の約5.1倍であった。茶大豆から調理加工品(煮る、煎る、蒸す)を調製し、試料中の抽出性および非抽出性ポリフェノール量を測定した。種皮中の抽出性ポリフェノール量は、生豆>煎り豆>煮豆≧蒸し豆の順であった。生豆と煎り豆の非抽出性ポリフェノール量は、抽出性ポリフェノール量より少なかったが、煮豆と蒸し豆では非抽出性ポリフェノールの方が多かった。抽出性および非抽出性ポリフェノールの合計量は、煎り豆では生豆と同程度であったが、煮豆と蒸し豆では半分以下にまで減少した。その他、研究期間を通じて、有色大豆種皮中における非抽出性ポリフェノールの存在とその量を明らかにしたり、黒大豆加工品における非抽出性ポリフェノールの量的変化を酸加水分解法とアルカリ処理法の分析法で明らかにしたりすることができた。
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