2020 Fiscal Year Research-status Report
植物のストレス馴化を応用した野菜の新しい保存方法の開発
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20K02420
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Research Institution | Tokai University Junior College |
Principal Investigator |
高塚 千広 東海大学短期大学部, 東海大学短期大学部, 准教授 (90552539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森安 裕二 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20200454)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 緑葉老化 / 馴化 / オオムギ / ヒメツリガネゴケ / レタス / ヒートストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
オオムギとヒメツリガネゴケ2つの生物材料において、老化遅延の条件を検討した。 (1) オオムギ葉を用いて、熱処理が老化(劣化)を遅延させることを確認した。連続明で1週間育てたオオムギ芽生えより第一葉を切り出し、暗所に置いて老化を誘導した。この老化に対する様々な高温処理の影響を調べ、老化が顕著に遅延する条件を再確認した。 (2) ヒメツリガネゴケを用いて、老化過程に伴うアスコルビン酸やチオール化合物のレベルの変化を測定した。ヒメツリガネゴケ原糸体を暗所に置くと老化に似た症状が起こる。これを植物の老化(野菜の劣化)のモデルとして捉えている。栄養培地上で、明条件で1週間、生育させたヒメツリガネゴケ野生株を暗所に置いて老化を誘導すると、アスコルビン酸やチオール化合物のレベルはどちらも低下した。 (3)ヒメツリガネゴケの原糸体コロニーでも、熱処理を行うと老化(劣化)が遅延することを確認した。 これらの結果はヒートストレスが植物の老化を遅延させることを示唆している。単子葉植物とコケ植物で得られたこれらの結果は双子葉植物にも当てはまると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
緊急事態宣言などの影響により計画していた出張が出来なかったから。
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Strategy for Future Research Activity |
オオムギで黄化度、クロロフィル含量を測定する。 ヒメツリガネゴケで、チオール化合物とアスコルビン酸以外のパラメーターを測定する。 レタスの鮮度低下が熱ストレスによって遅延するかどうか調べる。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言などの影響により旅費を使用せず、実験がやや遅延したので次年度繰越額が生じた。葉のクロロフィル定量や老化パラメーター測定等のために未使用分を充当する。
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