2022 Fiscal Year Research-status Report
点字と触察本の人間形成的意義に関する教育思想的考察―ディドロの触覚論を手がかりに
Project/Area Number |
20K02423
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
室井 麗子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 点字 / 触察本 / 感覚論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度には新型コロナウイルス感染症拡大の下で実施できなかった点字と触察本の実践に関する国内および国外での調査研究ならびに資料・史料収集を実施する予定であった。 しかしながら、本年度も新型コロナウイルス感染症の拡大状況が続いており、国内および国外での調査研究ならびに資料・史料収集を実施することができなかった。そこで、次年度に国内および国外で点字や触察本をめぐる実践についての調査研究や資料・史料の収集を実施するための準備作業を行った(Musee Valentin Hauy、Musee Louis Braille、国立民族学博物館などの訪問先の選定、ならびに、それぞれの訪問先でどのような調査を実施するかを具体的に検討した)。 さらに、引き続き文献研究も実施した。感覚論ならびに感情論を論じた思想家らのテクストを精読し(ジョージ・バークリー、ジョン・ロック、ドニ・ディドロ、ジャン=ジャック・ルソー、コンディヤック等の関連著作、加えてデイヴィット・ヒュームの『人間本性論』等)、特に17世紀から18世紀にかけての感覚・感情をめぐる思想史や理論動向をさらに精緻に把握した。近年盛んに研究されている「感情の歴史」に関する文献も精読し、「感情」や「感覚」への新たな歴史学的アプローチについても把握した。また、近年の触察本の刊行状況についても把握した。さらに、引き続き現象学に関する文献も精読し、点字や触察本を読むという実践の内実を考察・分析する視座・観点や方法論の可能性についても探った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内および国外での調査研究が実施できなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度に、国内および国外での調査研究を速やかに遂行できるよう、準備作業を進める。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大状況によって、予定していた国内および国外での調査研究が実施できなかったため。 次年度に実施する国内外での調査研究費として使用する。
|