2021 Fiscal Year Research-status Report
アクティブラーニング適応感尺度の開発と学生の適応感に応じたグループ編成法の検討
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20K02444
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
松尾 美香 岡山理科大学, 基盤教育センター, 准教授 (30521067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 理子 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40634861)
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アクティブラーニング / グループ編成 / アクティブラーニングの苦手意識 / フリーライダー |
Outline of Annual Research Achievements |
アクティブラーニングに対する学生の行動・学習特性の類型化のために、研究代表者が担当する共通科目や分担者の担当科目において、開発中アクティブラーニング適応感尺度(仮称)を使った質問紙調査の実施を行った。アクティブラーニング適応感尺度の結果から、グループメンバーの組み合わせパターンを検討し、多様性を重視したグループ編成を行った。尺度の得点をみて、各因子の高得点の学生や低得点の学生を各グループに分散させ、異なる特性の学生が集まるようにグループ編成を試みた。 授業の観察から、フリーライダーと予想していた学生とリーダシップをとると尺度得点から予想していた学生が議論している様子が確認できた。また、学生に自由にグループ編成させたときより、生産的に活動できていた。 さらに、授業終了時の質問紙調査から、所属したグループの満足度を確認すると、「とてもよい」、「よい」を合わせると83%の学生が良いグループだったと感じており、「わるい」、「とてもわるい」を合わせは4.9%であった。また、その有効性を自由記述から、「積極的」「バランス」「スムーズ」「リーダー」「役割分担」「協力」の6つのカテゴリーに整理でき、積極的な活動やグループ編成のバランスの良さ、リーダーの存在、役割分担による協力から活動が円滑にできていた。一方で、否定的な学生の自由記述では、「積極的に行動する人が少なかった」、「話す人と話さない人の差が大きい」と記述していた。その一方で、その記述のなかに、「個人では良い関係」、「積極的に行動する人が増えた」などの肯定的な意見も見受けられた。以上のことから、この本手法によるグループ編成の有効性の一端を示すことができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により、授業形態がオンライン授業に変更になったため、想定していたアクティブラーニング型授業の実施が困難となり、オンライン上での活動にとどまった。このため、研究計画を大幅に変更する必要があった。特に、コロナの影響を排除できないため、予定していた質問紙調査やインタビュー調査が行えなかったことが大きな要因である。また、出張等が原則的に禁止されたため、予定していた調査や学会発表等ができなかった。 可能な範囲内で研究を開始したが、アクティブラーニング適応感尺度の精度を高めるための研究がほとんど行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
アクティブラーニング適応感尺度の精度を高め、完成を目指す。 アクティブラーニング型授業におけるグループワークでの学生の会話や行動を観察することで、グループワークを阻害する要因を検討する。また、学生へのインタビュー調査を実施することで、アクティブラーニングに対する考え方やグループワークを阻害する要因を確認する。 コロナ禍の状況が予測できないため、最悪の状況を見据えながら研究を推進し、研究がこれ以上、遅れないように努めたい。さらには、オンライン授業におけるアクティブラーニング型授業についても検討したい。オンライン上でも、グループでの活動を避ける一定数の学生が存在するようであった。その一方で、対面授業よりオンライン授業のほうが活動しやすい学生も存在していた。この点についても検討したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、予定していた調査が実施できず、学会発表が中止になったりオンライン開催へ変更したりと旅費の執行ができなかった。また、コロナ禍の影響が排除できないため、Web調査が実施できなかった。
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