2021 Fiscal Year Research-status Report
Politics of Sovereign Education in the Context o High School/University Articulation Reforms
Project/Area Number |
20K02452
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小玉 重夫 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (40296760)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智輝 山口大学, 教育学部, 講師 (60780046)
村松 灯 帝京大学, 理工学部, 講師 (70803279)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | シティズンシップ教育 / 高大接続改革 / 政治的主体性 / 教育政治学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高大接続改革の理論と実践を主権者教育の視点から検討することを通じて、近年の改革においてどのような思想的文脈のもとで知の体制のいかなる 変容が生じているのかを教育思想研究,教育政治学研究の視点から明らかにすることで、高大接続の構造転換に向けた理論的視座を示すことである。 2年目にあたる本年度は、高大接続改革にともなう知の構造転換と若者の政治的主体化との接合可能性を理論と実践の両面から検討した1年目の成果を論文としてまとめ、その成果を公開した。さらに、新科目「公共」の実施をむかえた本年度においては、とりわけ高校教育における主権者教育の動向に注視しつつ、検討を進めることとした。具体的には、日本教育学会において実施したラウンドテーブル「新科目「公共」は高大社の接続をどう変えるか」を通じて高大社の三つの視点から、高校生の政治的主体性の育成に向けた取り組み、連携のあり方について議論を深められた。また、教育思想史学会においても学びの当事者がいかに高校と大学での学びの接続を経験しているのかについての知見が得られた。こうした知見に基づいて、「トランジション」としての高大接続から「トランスフォーメーション」としての高大接続についての理論的・実践的な視座が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画に従って、高大接続改革にともなう実践的試みについての検討を進めた。高校、大学、そしてNPO団体や市民が主権者育成についてどのような問題関心を持ち、どのような取り組みを行っているのかについての知見を得ることができた。また、高大接続改革にともなう知の構造転換と若者の政治的主体化との接合可能性と課題について、その成果を論文として公開するなど、着実に研究を進展させることができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては、昨年度の成果をふまえて、大学教育における主権者教育の位置づけについての重点的に検討を進める。そのうえで、高大接続改革をめぐる思想指摘把握と実践的把握について総括的な考察を行う。
|
Causes of Carryover |
当該年度に予定していた出張等を見送り、次年度にヒヤリングや研究打ち合わせを行うこととしたため。
|