2021 Fiscal Year Research-status Report
How does narrative exchange improve conversational competence?: Empirical research findings from collaborative online international education.
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20K02460
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
山下 美樹 麗澤大学, 国際学部, 教授 (10771420)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オンライン国際連携学習教育(COIL) / ナラティブ交換 / 文化的人工物 / エンパシー / 共有 / チームビルディング / ユニバーサルデザイン / バルネラビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度異文化間教育学会において、「COIL の実践報告: 双方が対等な立場で学修を可能にするための方策」と題し報告した。そこでは、研究協力者とのコラボレーションで行った2019年、2020年のCOILの実践研究を基に、ナラティブ交換の対話能力への貢献として、教授法の観点から双方が対等な立場で学修を可能にするための方策として、エンパシーの概念の共有の有効性について言及した。麗澤大学紀要にも、山下美樹(2022.3.15)「オンライン国際連携学修(COIL)における試み:ナラティブ交換とエンパシー概念の共有の有効性について」麗澤大学 紀要 第105巻 pp.80-85. を、単著で出版した。本稿では、オンライン教育上でのミスコミュニケーションを回避し、よりよい異文化コミュニケーションを行うために、 ナラティブ交換とエンパシー概念の共有は有効であることを報告した。教師中心の教授主義から、学習者中心の他者から学ぶ社会構成主義へと教育環境が変化するなか、ナラティブ交換により、参加者が置かれている背景についての双方理解は、プロセス志向の教育において重要であることが可視化された。2022年度においては、これまでのCOIL授業から得られたデータを基に、COILの教授法の観点から、異なる文化と言語背景をもつ者同士の協働学修における、バルネラビリティの共有がパートナーシップの形成に及ぼす影響について考察を実施している。この視点は、本研究が目指す「能動的に他者と関わり相互尊重を働きかける人ほど質の高い対話ができている」という作業仮説を基盤に、COIL 授業におけるナラティブ交換の導入が、参加学生間の相互尊重の構築と対話能力の向上に、どのような影響が与えられるかを考察するうえで重要である。また、研究協力者と共著で海外の査読付き論文への投稿を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度もCOILが実施できていることと、2022年度も実施予定であること。また、研究協力者については、トルコの研究協力者とのコラボレーションができてはいないが、アメリカの研究協力者とは、これまで3回のCOILを実施しているため、データが蓄積できている。また、学会発表と麗澤大学の紀要でその成果を報告できている。引き続き、データの分析にさらに力を入れていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外での研究報告については、7月末にスイスで実施される学会で研究報告を行う予定である。また、研究協力者と共に、海外の教育専門誌(査読付き)に投稿するために準備を進めている。2022年度もコロナ禍により、海外渡航の規制もあるができるだけ研究報告を重ねるべく、投稿を続けていく予定である。また、さらに先行研究の精読と、これまで収集してきたデータ分析を行い、理論生成に努める。
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Causes of Carryover |
物品費は主に、図書購入、PC周辺機器購入であり、その他の項目は、オンラインでの学会、オンラインセッションへの参加費。
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