2020 Fiscal Year Research-status Report
高等学校におけるキャリア教育のイベント型から日常型への発展過程に関する調査研究
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20K02465
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
児美川 孝一郎 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (50287835)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 高等学校 / 新教育課程 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,研究全体の初年度に当たるため,当初の研究計画では,調査対象となる高等学校等への予備的な訪問調査を実施し,それぞれの学校の概況(生徒募集の状況,生徒の卒業後進路動向,新教育課程への対応の状況等)を把握するとともに,とりわけキャリア教育の実施・運営の状況(「イベント型」の取り組みから「日常型」の取り組みへの転換が進んでいるかどうか。そのための準備状況はどうなっているか等)について,ヒアリングを軸とする調査を行うことをめざしていた。 しかし,実際には新型コロナウィルス感染症の感染拡大により,予定どおりに高等学校等への訪問調査を実施することには困難が生じた。そのため,事態に合わせて,研究計画を柔軟に変更し,①文献の収集や資料の取り寄せ等で可能となる文献研究に予定よりも重点を置き,②学校訪問の受け入れを許可してくれた高等学校等については,訪問調査を行い,③オンラインで授業公開等を実施していた高等学校等については,当初の研究計画では調査対象ではなかった学校も含めて,積極的に参加することにした。 実際の訪問調査ができた学校は,長野県松本美須々ヶ丘高等学校,三田国際学園高等学校,静岡県浜松市立中郡中学校であり,オンラインでの授業公開等に参加できた学校は,岡山県立瀬戸高等学校,立命館大学附属立命館宇治高等学校であった。 調査の結果,キャリア教育の「イベント型」から「日常型」への転換は,想像以上に進捗していないことが浮き彫りになりつつある。もちろん,今年度は,コロナ禍への対応でそれどころではなかったという事情,高校の新教育課程の全面実施が2022年度であり,まだやや時間があるということもあろう。しかし,それだけではなく,「日常型」に移行していくためには,教員の意識改革や実施体制づくりにも課題があるように思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の感染拡大により,当初の予定どおりの訪問調査は実施できなかったが,①文献調査,②訪問調査,③オンライン調査を組み合わせることにより,研究目的に迫るための初年度の研究としては,ほぼ順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大の状況にもよるが,高等学校側での受け入れが許可されるようになれば,可能な限り,今年度には実施できなかった高等学校等への訪問調査を実施していく予定である。 もちろん,訪問調査がこちらの期待どおりに実施できるとは限らないので,その場合には,オンラインによるインタビュー調査の実施の可能性等を検討し,実現の方途を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響によって,当初予定していた高等学校等への訪問調査をすることが,一部の学校を除いて,困難となった。そのために,未使用額が生じた。 2021年度においては,可能な限り高等学校等への訪問調査を実施する予定であり,「次年度使用額」と,もともとの請求分の助成金を合わせて,これらの訪問調査の旅費,謝礼,テープ起こしのための謝金等に支出する予定である。
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Research Products
(2 results)