2022 Fiscal Year Research-status Report
社会人看護学生の学びを通して開発する、経験を活かしたリカレント教育
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20K02471
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
伊東 美智子 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (20756366)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会人経験 / 看護学生 / 臨地実習 / 経験学習 / 複線径路等至性アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会人看護学生の経験を活かした新しいリカレント教育の開発にある。昨年度は教育内容を見出す前進となる、18名のインタビュー結果を先ずはカテゴライズした。それは、学会にて発表し、学術誌に「社会人経験看護学生の学びの特徴 ―ヴィゴツキー・トライアングルと動的記号過程の文化心理学による考察―」として掲載された。それを冊子化し、協力への感謝と結果の報告を兼ね、協力者を紹介くださった教育機関および医療機関の看護管理者と協力者数分を送付した。それにより、最新の社会人経験学生や社会人経験看護師の実態について情報を得ようと試みた。3年の月日で管理者が交代したり、看護学生達はコロナ禍にて臨地実習に出られていない現実もあり、社会人経験が大きな問題として臨床で浮上するに至っていない可能性が考えられる。これらから、残念ながら現時点では、期待した情報を得ることは出来ていない。
一方、本研究の分析法である質的研究法TEA(複線径路等至性アプローチ)に関連する活動として、これまで発表されてきたTEAを用いた先行研究をまとめた、その名も「カタログTEA」を2023年2月、新曜社より共同編集し、出版した。オンライン読書会では、編者で分担して本の紹介を行い、広報活動に取り組んだ。TEAは、看護学はもちろんのこと、社会学、教育学、哲学等の近接する他領域の研究にも活用されつつある。これまでにご縁のあった研究者に送付し、書評記載も併せて依頼しながら、送付した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー、研究法は異なるが論文の作成・発表は進んでいる。 残された課題は、研究成果を活かした教育カリキュラムの新しい構築である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で得られたデータをTEAで分析した研究成果をまとめ、投稿の挑戦を重ねる。査読通過できるよう、内容の精錬に努める。 カリキュラム構築については完成形を目指したいところであるが、改めて社会人経験学生の教育現場に触れ、示唆を得たい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍を超え、看護学生の臨地実習も復活するであろうことを予測し、残る一年で研究目的の到達を目指したいと考える。 具体的には、本学にある通信教育課程の学修風景を可能であれば見学し、特に臨地実習での学びを社会人経験学生はどのように受けとめているのかを理解したい。また、学修支援に当たっている教員達はどのように工夫しているのかについても、体験を伺う等をしてその実際にも触れたいと考える。
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