2023 Fiscal Year Research-status Report
社会人看護学生の学びを通して開発する、経験を活かしたリカレント教育
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20K02471
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
伊東 美智子 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (20756366)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | キャリア・トランジション / 転機 / 看護 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会人看護学生の経験を活かした新しいリカレント教育の開発にある。 これまで、社会人経験後に看護師養成課程に進学した現役学生の方から、インタビューを取らせていただき、分析・考察を進めてきた。そして、それを研究発表し、冊子にまとめるところまでは取り組んできた。残された課題は、社会人経験者対象の看護教育プログラムの開発であるが、そこはまだ着手できていない。 その一方、仕事に対する世の中の空気や会社や企業の態勢もここ数年、大きく変わってきている。それは、転職への抵抗感の薄さや年功序列制度の廃止・成果主義等が、影響していると考える。こういった背景から、他職から看護職への転職もまた、決して珍しいことでは無くなってゆくと考える。そして、看護教育制度も定期的な見直しが図られ、キャリア展望の視点を教育カリキュラムに含めることも示唆されている。 こういった背景を受け、本テーマにおいて、何に取り組むことに意味があるのかを再考している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って、社会人経験を有する現役看護学生9名と社会人経験看護学生後、勤務している現役看護師9名、合計18名からインタビュー協力を得ることができた。 その結果を先ずはカテゴライズした。それは、学会にて発表し、学術誌に「社会人経験看護学生の学びの特徴 ―ヴィゴツキー・トライアングルと動的記号過程の文化心理学による考察―」として掲載された。それを冊子化し、協力への感謝と結果の報告を兼ね、協力者を紹介くださった教育機関および医療機関の看護管理者と協力者数分を送付した。しかし当時の担当者が異動等で不在の学校が多いことも関係してか、具体的な感想等を伺ったり、教育プログラ見直しの協議については、行えていない。 一方、本研究の分析法である質的研究法TEA(複線径路等至性アプローチ)に関連する活動として、これまで発表されてきたTEAを用いた先行研究をまとめた、その名も「カタログTEA」を2023年2月、新曜社より共同編集し、出版している。
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Strategy for Future Research Activity |
既に得ている、社会人経験を有した後に看護学生や看護師として修学・勤務している学生や看護師からのインタビューの分析・考察を、質的研究法TEAを用いて取り組むことをやってみる。 そして、看護学生時代あるいは看護職で勤務する中でも用いることができるようなキャリア教育、キャリアの視点について、調査・整理をすることに取り組んでゆきたい。
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Causes of Carryover |
研究データの分析・考察に向け、質的研究者に指導を仰ぐ目的で出張等を行う可能性がある。また、その成果を学会で発表し、意見交換等を経て、深めてゆきたい。 また、キャリア教育やキャリアデザインに関する新規学会への加入により、多角的な視点からの考察により、社会人経験学生や看護師のキャリア支援に寄与できるようでありたい。
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