2022 Fiscal Year Research-status Report
教師のゲートキーピングと支援の研究-米・豪・蘭・西の社会科授業プロトコル分析-
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20K02473
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Research Institution | Minami Kyusyu University |
Principal Investigator |
酒井 喜八郎 (さかいきはちろう) 南九州大学, 人間発達学部, 准教授 (20760937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 弘幸 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (30325302)
田中 伸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70508465)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小学校実力教師 / ゲートキーピング / プロトコル分析 / 社会科授業 / 討論学習 / 半構造化インタビュー / 語りの質的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年9月21日WALS(World Association of Lesson Studies) 世界授業研究大会UNIVERSITI KEBANGSAAN MALAYSIAマレーシア国民大学で次のタイトルで研究発表し好評を得た。 Analyze Gatekeeping of social studies teacher by use of “Transcript-based Lesson Analysis (TBLA)” method 「トランスクリプトベースの授業分析法の活用による社会科教師のゲートキーピングの分析」本研究は、2018年にシカゴ実験学校初等部での「ソーダ税に賛成か?反対か?」の授業プロトコル分析をもとに子どもの思考と教師の支援を明らかにした。 また、日米小学校社会科実力教師のゲートキーピングの比較研究を実施し、それぞれの特質を明らかにした。2022年10月9日に、The International Social Studies Association(ISSA)フォーラムで,次のタイトルで発表した。The relationship between super teacher's gatekeeping and social studies lesson foster the citizenship in elementary school in Japan and U.S. また、10月15日から開催の全国社会科教育学会(福岡教育大学オンデマンド)で「日米小学校社会科実力教師のゲートキーピングの研究」というタイトルで発表した。また、2022年11月27日に、オセアニア教育学会 第26回大会(椙山女学園大学教育学部オンライン)で、「シティズンシップ教育としての社会科教育 ~日・米・豪の社会科教師のゲートキーピングの研究~」というタイトルで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年~2021年は、コロナ禍のため渡航できず、当初の計画であったアメリカ、オーストラリアの小学校や大学への調査に行けなかった。そこで、コロナ禍の前の2018年にアメリカのシカゴ実験学校初等部4年生の話し合い授業「ソーダ税に賛成か?反対か?」の授業を記録していたので、プロトコル(逐語授業記録)を作成して、2020年より少しずつ分析して、子どもの思考と教師の支援を明らかにした。この結果を、2022年9月に、マレーシア国民大学で開催されたWALS(世界授業研究大会)で研究発表した。さらに、2020年より、日米社会科教師のゲートキーピングの比較研究をするために、日米の小学校社会科実力教師の同じ「選挙」をテーマとする社会科授業実践の比較考察と授業後の教師へのインタビューを行った。日本の小学校実力教師のインタビューは既に行っていたが、コロナ禍のため、アメリカの小学校社会科実力教師への半構造化インタビューがなかなかできなかった。しかし、2023年3月に、海外渡航が緩和されたため、アメリカの州社会科教育学会に参加することができ、データ収集も行うことができた。これにより、貴重なデータを得ることができ、研究が一挙に進んだ。現在、社会科教師のゲートキーピングに関する日本と海外(米国、豪州)の比較研究の論文を作成しまとめの段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年~2021年は、コロナ禍のため、当初の計画であったアメリカ調査に行けなかったが、 2023年3月にアメリカのカリフォルニア州社会科教育学会に参加することができ、データ収集も行うことができた。結果的に最初の2年はコロナ禍のため、なかなか研究が進まなかったが、3年目(2022年度)は、コロナが収束し、海外渡航が緩和されて国際学会や海外調査が可能となり研究が一挙に進んだ。そして、1年延長して最終年度にあたる2023年度は、社会科教師のゲートキーピングについてこれまでの研究成果をまとめて学会で研究発表を行い、論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
科研の研究計画では、3年間(2020年度~2022年度)であったが、最初の2年間はコロナ禍のため、海外調査など行けなかったが、3年目の2022年度は、コロナが収束し、海外渡航が可能となったため、海外調査や国際学会に参加し、研究が一挙に進んだ。そこで、あと1年研究期間を延長して研究のまとめをしたい。あと少し残してあるのは、2023年度の最後の1年間で研究のまとめをするためである。
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Research Products
(4 results)