2020 Fiscal Year Research-status Report
Historical Research of the Idea about Early Childhood Education
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20K02474
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Research Institution | Shokei Junior College |
Principal Investigator |
柴田 賢一 尚絅大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90615212)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼児教育の概念 / 保育の概念 / 幼児教育と保育 / 家政論 / 生活、Life / 養護、Care / 教育、education |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度に当たる2020年度前半は、基礎的な資料となるデータベース(EEBO:Early English Books Online)を購入し、研究の準備にあたった。データベースへの接続完了後は、本研究の主たる目的である、家政論文献群の史料リストの作成、および史料分析による「子育て」「教育」関連語彙の研究を行うために、同データベースを用いての検索作業を繰り返し行い、史料収集を行っている。過去にある程度の検索を行った経験はあったものの、EEBOの試用期間であったため十分な史料の整理はできなかったが、今回はこれまで目にすることのなかった史料も多く閲覧することが可能となり、まずは家政論文献群の整理という点で必要な作業を実施することができている。 また本研究では初期近代の文献群と、日本におけるその受容についての研究もそのテーマとしていることから、日本における幼児教育関連語彙の研究にも着手している。2020年度においては、家政論文献群における教育とも関連が予想される「生活」という言葉に着目し、日本における幼児教育の発展に貢献した倉橋惣三の文献から「生活」について論じた論文及び講演記録などを分析し、倉橋惣三前期の著作における教育と生活の概念を明らかにした(「教育と生活―倉橋惣三の「生活」概念(1)―」『尚絅大学研究紀要 人文・社会編』第53号、pp.107-118)。本稿では特に倉橋惣三が希求していた「生活」像が、産業革命以前の生活の姿であり、家政論がかかれていた時代の生活をイメージしていたことを明らかにしており、本研究の意義を確認できるものであったと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EEBOを所属先図書館に導入するまでに様々な手続きがあったため、実際の運用開始が夏ごろとなったため、EEBOを用いての史料収集・分析は当初の予定より遅れている。しかしながら倉橋惣三の生活概念研究については、思わぬところから着想を得て紀要論文を1本上梓することができ、この点では予定以上の成果を上げている。総じて概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
EEBOを用いての分析作業を進展させることが当面の課題である。しかし感染症対策のため、所属大学での授業が再びオンラインを取り入れることとなるため、授業資料の作成、提出された課題の確認に多大な時間を要することが研究進展の課題となる。昨年度作成した資料のリメイクなどで作業を効率化させ、研究時間を確保したいと考えている。
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Causes of Carryover |
EEBOが想定していた価格より大幅に安く購入できたこと、コロナ禍で学会旅費、調査旅費が使用できなかったこと、ノートパソコンの購入を持ち越したことにより、差額が生じた。生じた差額分については、持ち越しにしたノートパソコンの購入、研究資料・書籍の購入費用、およびコロナ禍後の調査旅費に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)