2021 Fiscal Year Research-status Report
近代西欧の教育思想と現代日本の道徳教育-道徳教育の学的基礎づけへ向けて-
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20K02478
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹田 博通 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (80154011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 安功 仙台高等専門学校, 総合科学系文科, 名誉教授 (00154112)
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20331259)
寺川 直樹 長野県立大学, 健康発達学部, 講師 (50801990)
小池 孝範 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80550889)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 道徳教育 / 教育学 / 道徳観 / 宗教観 / 自然観 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題①(西欧・日本の道徳教育観とそれに繋がる学的諸観点〈教育、道徳、宗教、自然など〉との関係の考察)に関しては、研究分担者・佐藤が、西欧の道徳教育観の問題点を現代哲学(レヴィナス)の文脈のうちで捉え直すことをとおして、研究分担者・寺川が、「自然への共感」をめぐるヘルダーの所論を人間形成論的に考察することによって、それぞれ、西欧の道徳教育観とこれに繋がる学的諸観点とを関係づける作業に携わり、その成果を『プロテウス』第21号に発表した。また研究代表者・笹田が、日本人の道徳教育観を教育観・道徳観・宗教観・自然観との関連で多角的、重層的に特徴づけるべく、「道徳/宗教/教育の思索」(綱島梁川)について検討し、その成果を『プロテウス』第21号に発表した。 課題②(近・現代の日本における西欧の道徳教育観の受容過程に関する探査)に関しては、研究分担者・相澤が、森有礼の思想へのスペンサーの影響を『倫理書』に即して考察することをとおして、また研究分担者・小池が、明治前期(「学制」~「改正教育令」)に実施された道徳教育の在り方を実例に即して探査することによって、それぞれ、西欧の道徳教育観と日本人の精神形成との関係性を検証する作業に携わり、その成果を『プロテウス』第21号に発表した。 課題③(道徳教育観〈西欧、日本〉の今日的意義と現代教育学へのインパクトをめぐる検討)に関しては、森淑仁(東北大学名誉教授、ドイツ文学)、松山雄三(東北医科薬科大学名誉教授、ドイツ文学)、金浜耕基(東北大学名誉教授、園芸学)の3名の研究協力者をも交えたオンライン形式の研究会(3回)で討議し、今日の教育学研究における新たな問題意識を提示・喚起する準備を行った。また笹田・寺川は、道徳教育と深く関わる宗教(仏教)教育の役割を「社会不安」との関連から考察し、それぞれ、研究成果を『日本仏教教育学研究』第30号に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020(令和2)年度に引き続き、コロナ禍のため、海外での実地調査は中止せざるを得なかったが、それ以外は当初の計画通り進んでいることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
各自が分担課題に即して予定通り研究を進めるとともに、新型コロナウイルスの感染状況をふまえ、オンライン研究会の実施や関連学会での研究発表(オンライン)など、課題推進に関する種々の方策を講じていく。また2022(令和4)年度は最終年度でもあるゆえ、西欧・日本の道徳教育観をめぐるこれまでの研究内容を吟味し、全体の研究成果報告書を作成・刊行する。これによって本研究の成果を広く社会に発信・還元したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外での調査がすべて中止となり、活動が著しく制限されてしまったことから、次年度使用額が生ずる結果となった。補助事業期間は残り1年ではあるが、計画を修正することでこの状況を改善していく。
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