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2021 Fiscal Year Research-status Report

Quest for History of Enviromental Education in Belarus; from Catastorophe to Regional Regeneration

Research Project

Project/Area Number 20K02481
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

安藤 聡彦  埼玉大学, 教育学部, 教授 (40202791)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords公害教育 / 環境教育 / 環境教育史 / チェルノブイリ / 原発事故 / 公害資料館 / 記憶の継承
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、「チェルノブイリ原発事故の最大の被害国」とされるベラルーシ共和国における過去30年あまりの教育と環境との関係性の変容を、とりわけ同国最南部にあり、ウクライナとの国境をはさんでチェルノブイリ原発と至近の距離にあるホイニキ市を中心として、明らかにすることを目的としている。
2年目となる2021年度も、20年度同様、コロナ禍のために現地調査を行うことができなかった(後述のように、2022年2月以降は、ロシアによるウクライナ侵攻のために、状況は調査研究にとってはより困難となっている)。だが、この研究の土台をなす、公害教育研究のひとつの成果として『公害スタディーズ;悶え、哀しみ、闘い、語りつぐ』(安藤聡彦・林美帆・丹野春香編、ころから)を刊行し、そこにおいてベラルーシのホイニキ市にある歴史民俗資料館とウクライナの国立チェルノブイリ博物館を海外の公害資料館として紹介するとともに、後者の副館長であるアンナ・コロレブスカさんに原稿「チェルノブイリの経験を世界に」をいただき、また同博物館の歴史と取り組みに関するオンライン講義を実施(10月23日)していただくことができたことは重要であった。(ウクライナは今回の研究の直接的な対象ではないが、そこにおける取り組みを深く知ることは、ベラルーシにおける取り組みを相対化するひとつの手がかりとなる。)
それ以外では、研究テーマにかかわる文献(とりわけベラルーシ現代史、チェルノブイリ原発事故史、環境史)の収集をひきつづき実施したが、成果としてまとめるには至らなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

上述のように、コロナ禍の継続により、現地調査を実施することができなかった。また文献収集は一定程度進めたが、研究成果としてまとめるまでには至らなかった。現地調査を軸に立てていた計画の再考が不可避となっている。

Strategy for Future Research Activity

2022年2月以降のロシアによるウクライナ侵攻によって、チェルノブイリ原発事故をめぐる政治は、原発関連施設(廃炉や事故サイトを含む)の有する戦時におけるリスクの可視化、並びにIAEAのヘゲモニーのもとでの各国の協調という枠組の崩壊、という2つの点において、変容を余儀なくされることだろう。これは、事故をめぐる学習(現地では主に「放射線生態学教育」という用語が用いられてきた)のあり方にも影響をもたらさざるをえないだろう。
本研究で想定してきた調査対象地は、ウクライナと国境を接するベラルーシ最南部の町ホイニキ市である。同市は、市域のほぼ南半分がポレーシェ自然環境保護区という立ち入り禁止区域になっており、ベラルーシ国内で最もチェルノブイリ原発に近接する自治体であり、事故対策の最前線となってきたため、調査対象地域に設定したものである。だが、今後ともしばらくは私自身が現地を実際に訪問して調査を実施することが困難であると予想される。また、オンライン・インタビューを実施するにしても課題が少なからずある。そこで、研究期間の延長を視野に入れつつ、22年度については以下の作業を行うことを課題としたい。
1)首都ミンスク周辺においてチェルノブイリ原発事故をめぐる学習にかかわってきた多様な主体(教師、研究者、社会教育関係者、NGO関係者、避難者、リクビダートル、他)のオンライン・インタビューを試みる。
2)チェルノブイリ事故対策史及びベラルーシ現代史の研究文献・資料を引き続き収集し、1980年代以降のベラルーシ社会の変容と事故対策の変貌との関係、ならびにそれらの変化の過程における学習の内容・組織の変容を考察する。

Causes of Carryover

さきの進捗状況で記したように、研究対象であるベラルーシ共和国への訪問調査がコロナ禍及び政情不安定のために困難であり、研究作業が遅れている。本研究は、ベラルーシ、とりわけチェルノブイリ原発に近接する同国最南部の都市ホイニキへの訪問調査を軸に組み立てられているが、旅費の支出が全くないため、これまでの使用額が大幅に制限されたものとなっている。
今後は、本研究を2023年度まで延長することを見通したうえで、オンライン・インタビューが相対的には実施しやすいミンスク市を対象としたうえで、チェルノブイリ原発事故にかかわる学習に関与してきた多様な主体へのオンライン・インタビューを実施する。助成金はそのインタビューにあたってのコーディネート、通訳、インタビューイーへの謝礼、並びにインタビュー記録の文字おこし作業、にあてる。さらに、助成金は、チェルノブイリ事故対策史ならびにベラルーシ現代史にかかわる研究文献の収集にもあてる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Presentation (1 results) Book (2 results) Funded Workshop (1 results)

  • [Presentation] 公害スタディーズを出版する2021

    • Author(s)
      安藤聡彦、林美帆、丹野春香
    • Organizer
      日本環境教育学会第32回年次大会
  • [Book] みんなでつくろう! SDGs授業プラン2022

    • Author(s)
      池田考司、杉浦真理、佐貫浩
    • Total Pages
      192
    • Publisher
      旬報社
    • ISBN
      4845117479
  • [Book] 公害スタディーズ2021

    • Author(s)
      安藤 聡彦、林 美帆、丹野 春香
    • Total Pages
      224
    • Publisher
      ころから
    • ISBN
      4907239548
  • [Funded Workshop] アンナ・コロレブスカさん(ウクライナ国立チェルノブイリ博物館副館長)オンライン講演2021

URL: 

Published: 2022-12-28  

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