2021 Fiscal Year Research-status Report
子ども・子育て団体による親の学びの編成に関する研究
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20K02490
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
恒吉 紀寿 北九州市立大学, 文学部, 教授 (20285456)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子ども / 子育て / NPO / 地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
公共施設の閉館や緊急事態宣言により活動自粛を行いがちであった団体も、新型コロナ感染対策をとりながら活動を再開し始めた。対策により影響を受けているのは、親の学びや交流についてである。子どもの活動は、寝食を制限することにより、体験活動の効果は縮小しているものの、実践現場での工夫や、自然体験系の活動の募集定員増加など変化が見られた。こうしたことは、生活体験学習学会プロジェクト委員として、学会紀要の特集として実践現場の報告を募り、学会大会にて公開シンポジウムとして実施した。報告の後、コメンテーターとして動向の整理と研究としての論点を指摘した。 また、地域づくりと教育については、離島における住民自治と教育政策・事業の変化、子どもたちの進路意識、親や地域の子どもに対する教育期待の変化を構造的に捉える枠組みを論文で示し、九州教育学会で発表した。なお、学会報告は、調査対象と資料と共有した共同研究であったため共同報告として行い、前述の内容について発表した。 研究の柱とした事例のアクションリサーチについては、調査活動を実施することができた。緊急事態宣言の影響で、年度遅れとなってしまったが、その間も含めた活動の状況とリーダー調査、機関調査を実施した。コロナ禍において同じ活動の実施はできなくなったものがあるが、そこで得たものを引き継げるよう、活動経験者が現在の親たちへ会議を通じて伝承と工夫の働きかけを行っていた。 コロナ禍によって、子ども活動と親たちの活動が、就学以降の年齢では、子ども活動の再編が行われ親の学びや交流は情報伝達中心となっているが、就学前の親子活動では親子相互の横のつながりが弱くなり、親子の縦のつながりが強化される影響として生じている。施設や専門職が支援する活動より、当事者が自主的に行う活動の方が、できることを考え、当事者間での不安を先輩の助言や支援により実践へと展開させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
緊急事態宣言の影響で調査日程を確保することができず、変更を行いながらも実施してきた。この間の調査や得た情報で学会発表を行なったため「おおむね順調」とした。 調査だけでなく、実践活動も休止した時期が研究期間に含まれたため再開の状況を待つことも必要であるなど調査計画の見直しが必要であった。調査日程を十分に組めないことや、感染状況による不安定中での年度末までの調査経費確保を行ったため、予算計画においては、繰り越しが発生し、理論的枠組みのための専門書やその検討が遅れ、実践情報収集に時間と労力を費やしている。 そうしたこともあり、研究計画と予算計画とあわせると当初想定していた研究の達成よりは遅れている。できること、できる成果としては取り組んできたので、当初予定の研究目的の達成に向けて取り組みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
アクションリサーチのまとめ年であったが、初年度に緊急事態宣言などの影響で調査が実施できなかったので、まとめの年度であるが、調査と理論検討を行いながら、並行してまとめ作業も行っていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍であったため緊急事態宣言などで調査計画が流動的になり、一部の調査は実施できたものの、調査対象のアクションリサーチの日程の調整がつかず、計画通りの調査が実施できなかった。 年度末まで調整を試みたため予算残高が発生してしまった。延期となってしまった調査は、次年度に行う計画とした。 今年度は、調査計画を軸に、理論研究のための文献や資料を集め、研究のとりまとめを並行して行っていく。
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