2021 Fiscal Year Research-status Report
海外に繋がる子ども達と日本人児童生徒の共学をめざした言語活動の開発
Project/Area Number |
20K02497
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
松井 かおり 朝日大学, 保健医療学部, 教授 (70421237)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 海外に繋がる子ども / 共学 / アート / ワークショップ / 社会文化的アプローチ / 仲介者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会文化的なアプローチに基づく言語発達・学習論の立場から、ドラマ活動などアートを媒介とした言語教育モデルを構築し、外国につながる子どもと日本人児童生徒が共同して学ぶ環境を提案することを目的とする。 本年度は、外国人生徒が少数在籍する中学校において、外国人生徒の学習補助を行う学習支援員(有償ボランティア)が仲介者となり、学校と外国につながる子ども達を対象とした地域の支援グループとの連携づくりを試みた。具体的には、外国人の子ども達の学校での様子を支援員らが地域の支援グループへ細かく伝え、地域の支援グループの教室で各々の外国人生徒に合わせた支援活動をすることをめざした。それにより、外国につながる子どもたちの進学準備も、進めることが可能となった。 外国人児童が多数在籍する小学校では、2020年度から継続して取り組んでいる外国につながる子どものためのワークショップの時間を設定し、日本語習熟度や学習段階が異なる子ども達が一緒に活動するアートプログラムや学習プログラムを試行した。活動の様子は、担当教員らと振り返り、通級(異学年の子ども達が一緒に活動する授業)であるから可能であったコミュニケーションや学習場面を切り出すことを試みた。 調査地と同じ県内にある他のNPOと連携して、日本語ゼロ初級の子ども達の高校受験を準備する活動も行った。学習支援だけでなく、キャリア教育を行うなかで、学校、教育委員会と外国人家庭を繋ぐための方策について考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究が遅延している主な理由は、参与観察を予定していた学校が、新型コロナ感染症拡大時期に長期間立ち入りができなくなったためである。また地域市民ボランティアグループで行っている支援活動も、市営会場が使用禁止になったため、長期間の活動休止を余儀なくされた。そのため、本年度試行予定であった教科学習に特化したワークショップの実施、分析ができず、実施を延期している状態である。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外につながる子ども達が在籍する小中において、授業参観および、小学校の取り出しクラスにおけるワークショップ活動を継続して行う。特に本年度は、ここまで2年間新型コロナ感染症拡大のため実施できずにいる教科学習に特化したワークショップ活動を積極的に実施し、日本人児童生徒と一緒に外国ルーツの子どもが学ぶことができるカリキュラム案づくりをめざす。
|
Causes of Carryover |
一昨年度に引き続き、新型コロナ感染症拡大によって、参加を見込んでいた学会出張をはじめ、参与観察等にかかる旅費の支出が極端に減ったことが挙げられる。本年度は、対面で実施される学会には可能な限り参加し、研究者交流を進めたい。また2年間控えている対面でのドラマ・ワークショップなどの実施を積極的に行う。
|
Research Products
(1 results)