2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Career Support Methods for Undergraduate Students Who Face Difficulties Due to Their Sexuality
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20K02498
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
西尾 亜希子 武庫川女子大学, 共通教育部, 教授 (20550627)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セクシュアリティ / 大学生 / キャリア教育 / キャリア支援 / トランスジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
セクシュアリティ(特にトランスジェンダーであること)を理由に、キャリア開発や就職に不安を持つ学生に対して、大学がどのようなキャリア支援を実施しているのかについて、全国の大学のHPや先行研究から、現状の把握を継続的に行っている。 また、大学生活を送る上での困難を抱えてきた卒業生に、卒業生として母校に望むこと、卒業後の活動状況(職務内容、職場での人間関係、交友関係など)について、オンラインで定期的にインタビューを実施した。さらに、アライの現役の学生にも、インタビューやグループインタビューを実施し、学内での活動状況について聞き取りを行ったり、学生のキャリア支援やキャンパスライフの支援に関わる大学関係者にも聞き取りを行った。 また、海外の状況については、NPOなどのHPから情報を得たり、知人にキャリア教育を担当している教員を紹介してもらい、支援の現状について把握するため、オンラインでインタビューを実施したり、有益と思われる資料を共有してもらった。しかし、今年度に実施した調査はどれも本格的なインタビュー調査を実施するパイロット的な面が強いことから、今回得た知見をもとに調査項目などを考えていくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、本格的な調査に入る前の下調べは、ある程度できたとはいえ、本来はもっと多くの学生や教職員に対して、キャリア支援の現状について広く声を聞き、大学のHPや先行研究からはわかりづらい現状を把握できたらと考えていた。また、カナダでの下調べについても、文献調査はある程度進めることができたものの、学校関係者らがオンライン授業に切り替わったことから多忙を極めており、現場の声を十分聞くことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
関係機関のHPの確認や先行研究のレビューを継続し、インタビュー調査を実施する際の質問項目の設定に役立てる。当事者の卒業生やアライの学生らを通じて、自らのセクシュアリティを理由にさまざまな困難を有している学生に大学におけるキャリア支援の現状や改善点について意見を聞き、大学のキャリア支援がどの程度それらの意見に応えられているのかなどについて把握していく。 また、カナダの中等教育におけるキャリア教育やキャリア支援の状況についても、対象は異なるものの、上記と同様のステップを踏み、日本の大学における教育や支援のあり方について示唆を得ていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、出張が思うようにできず、旅費や謝金の支出がなかったため。今年度実施する予定であった出張を次年度に行い、遅れた分を取り戻したいと思う。
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Research Products
(2 results)