2021 Fiscal Year Research-status Report
ベルン師範学校出身教授J・イッテンの発想法教育学とワイマール期実験学校教育学受容
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20K02499
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
鈴木 幹雄 関西福祉大学, 教育学部, 教授 (70163003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 明 関西福祉大学, 教育学部, 教授 (30258256)
大関 達也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80379867)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | J・イッテン / 師範学校出身教授 / 実験学校教育学受容ベルン / 発想法教育学 / ワイマール期 / グループ活動教育学 / 自己探求的芸術教育学 / 現代の児童芸術教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 令和3年度研究活動主要課題は、①戦後ドイツ語圏師範学校出身教授による1920-30年代の実験学校教育学遺産関連資料の分析・研究、②1940-50年代現代的教育学基礎理論・教育方法学の展開過程関連資料の分析・研究、③現代児童表現教育論が上記①、②の遺産を如何に継承したかに関する現代アクティブ・ラーニングの視点からなされた現代表現教育研究の分析・研究。 2.令和3年度研究活動主要成果: ①戦後ドイツ語圏師範学校出身教授達による、1920-30年代の実験学校教育学関連資料収集・分析・研究について: ①令和3年度成果:鈴木幹雄「ドイツ敗戦期にみる現代教育学・教育方法学の発生動態について(Ⅱ)―ゲッティンゲン大学学位取得者G・スロッタの「グループ授業(教授)」と教育学の「現実主義的転換」―」、『関西福祉大学研究紀要』第25巻、2022年 。 ②1940-50年代現代的教育学基礎理論・教育方法学の遺産について: ①令和3年度成果:大関達也「他者の立場から理解することを学ぶ教養教育」、兵庫教育大学研究紀要 第60巻、2022年;②令和2年度成果:「[報告]戦後西ドイツにおける「範例的原理」と教育学研究再興について」、『関西福祉大学研究紀要』第24巻、2021年 。 ③現代児童表現教育論に関するアクティブ・ラーニングの視点からなされた実践研究の現代的視点について: ①令和3年度成果: 鈴木幹雄「「ものを結びつける」活動から子ども達の探究活動へ」(日本乳幼児教育学会第31回大会研究発表); 同上「米国幼児教育(学)者C・W・トッパルにみる1990年代レッジョ・エミーリア・アプローチ受容」(副題-略、美術科教育学会第44回大会研究発表);②令和2年度成果:同上「[資料]アメリカ教育学者C・W・トッパルにみる現代ヨーロッパ幼児教育学受容についての一考察」 第24巻、2021年。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.令和3年度は前年度に続き、①コロナ禍事情に由来する勤務校日常業務の多忙さに加え、②研究対象国ドイツにおいてスペシャリストの助言・情報提供等入手に困難な状況が続いた。そこで研究当初プランを現実的に修正し、我が国における豊かな研究成果を構成的に統合できるよう、研究計画の再検討を行った。 当初計画は、①<戦後ドイツ語圏における師範学校出身教授達の改革的初等教育学>・<自己探求的芸術教育学>・<1920-30年代のグループ活動教育学>との統合化過程に関する関連資料収集・翻訳・分析、②クレーフェルト工芸学校におけるイッテンの教育実践と導入教育(学)の展開過程に関する資料収集・翻訳・分析、③1920-30年代造形発想教育学に関する現代アクティブ・ラーニングの視点からの教育学的・教育方法学的評価・研究関連資料収集・翻訳・分析。 令和3年度修正計画:第2年度に得られた研究成果を視野に入れ、本研究課題は如何に推進した場合に生産性を上げ得るかを検討・修正した。詳細:①戦後ドイツ語圏師範学校出身教授達による、1920-30年代の実験学校教育学の1940-50年代における継承・展開過程(グループ活動教育学展開過程関連資料収集・分析)、②1940-50年代現代的教育学・教育方法学基礎理論の展開過程関連資料収集・分析、③現代に受け継がれている構成的な児童表現教育論に関するアクティブ・ラーニングの視点からなされた実践研究関連資料収集・分析。 2. 推進アプローチ修正の根拠:ドイツにおける調査・研究が実現不可能で、良質な研究書事情を周知しているドイツ人スペシャリストの探索、校閲・情報取得が得られない事情の下、本科研研究を確実に実現させる為、上記、我が国の研究に蓄積されてきた研究成果を総動員し、鋭角的研究視角を現実的に統合することにより、本研究に「深み」のある先行研究を集中・発展させる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.令和3年度研究は、前年度同様、コロナ禍の下厳しい制約下にあったが、令和4年度へ向けての突破口となる研究が用意された。当初の研究計画課題・資料を上記項目に再整理し、特に研究代表者、鈴木と研究分担者、大関を中心に研究体制を組織した。そして①と②の研究を固め、加えて③に関する研究では、J・イッテンによって取り組まれた実践的研究視点を、現代的児童表現教育の研究視点、<現代児童表現教育論に関する現代アクティブ・ラーニングの視点からなされた実践研究>から捉え直す方針を立てた。同視点は、研究代表者がこの三年間取り組んできたCh・W・トッパル氏の現代児童表現教育のアプローチに見られるもので、研究代表者が中心となって行うこととした。なお、令和4年度の研究助成金は以上の分担量に即して配分することとした。 2.更に令和4年度の研究計画では、①、②、③が再設定された。 ①戦後ドイツ語圏師範学校出身教授達による1930-50年代の実験学校教育学の形成過程、主資料収集・分析 ・研究:鈴木担当:Guenter Slotta: Die paedagogischen Tatsachenforschung Peter und Else Petersens, 1963 . ②1940-50年代現代的教育学基礎理論・教育方法学の展開過程、主資料収集・分析 :Guenter Slotta: Die paedagogischen Tatsachenforschung Peter und Else Petersens, 1963(大関担当).クラフキ初期研究:W.Klafki: Studien zur Stellg. u. Bedeutung d. "empir." Forschung in d. Erziehungswissenschaft. 1963( 鈴木担当). ③現代児童表現教育論に関する現代アクティブ・ラーニングの視点からなされた実践研究関連資料収集・分析: K. Thoenissen: Johannes Itten. Leben in Form und Farbe. 2016, Kathy Weisman Topal et al, Beautiful Stuff ! - Learning with found Materials. Davis Publications, Inc.1999( 鈴木担当).
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Causes of Carryover |
令和3年度は前年度に続き、コロナ禍事情の故に、研究対象国ドイツに赴き、ドイツ調査・研究、並びにスペシャリストの助言・情報提供等入手ができなかっ た。特に後者の、ドイツ人スペシャリストの助言・情報提供は、外国の学理論研究にとって、とりわけ重要であるので、次年度の調査の為に、令和4年度へ最低限予 算を残す措置が取られた。なお本研究計画においては、必要に応じて研究期間延長も視野に入れられている 。
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Research Products
(4 results)