2021 Fiscal Year Research-status Report
日本における教育病理学の移入と普及過程：都道府県教育会雑誌記事の検討
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20K02522
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| Research Institution | Takasaki University of Commerce |
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Principal Investigator |
下山 寿子 高崎商科大学, 商学部, 教授 (30287908)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 亮芳 高崎商科大学, 商学部, 教授 (40348149)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 教育病理学 / 教育病理 / 教育関係雑誌 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
「日本における教育病理学の移入と普及過程：都道府県教育会雑誌記事の検討」である本研究課題は、本年度、第2年目を迎えた。第1年目の、①本研究の目的と観点等についての確認、②先行研究の収集と批判的検討、③中央の教育雑誌と都道府県等地方教育会雑誌にあらわれた「教育病理学」に関する記事の収集と整理、④「教育病理学」の研究対象である「教育病理」の範囲の確認などの基礎的作業の上に、「教育病理学」の移入と普及過程とその意味を探るための史料群の書誌的・内容分析を本格化することを目指した。研究連絡会は、2回（昨年度からの通しで第4回・第5回）開催した。（1）研究連絡会では、①研究プランの確認と、②雑誌『教育時論』にあらわれた「教育病理学・教育病理」に関する記事傾向の紹介（菅原）、③「教育病理」概念の出現として、三宅鑛一、尺秀三郎、中島半次郎等の研究に着目（下山）した研究発表を行った。（2）昨年に引き続き、地方教育会雑誌との比較検討を行う必要があるため、中央の民間教育雑誌『教育時論』の記事整理を行った。（3）本研究が対象とする「教育病理学」のメルクマールとなる「教育病理」の概念の出現について、歴史的文献学的に再検討を行った。（4）（2）（3）の研究成果としての「児童・生徒の個別の問題行動としての『教育病理学』の出現など2件については、「研究発表（令和3年度の研究成果）」に掲載する。（5）このような作業を通して、一部の資料群の書誌的・内容分析を進めることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
進捗状況について「（4）遅れている」とした理由は、以下のとおりである。
令和2年度と同様の理由となるが、本研究は、教育雑誌なかでも都道府県教育会雑誌を研究対象としており、岩手県立図書館、兵庫県立図書館、福岡県立図書館などの地方図書館に出向き資料収集する予定であった。しかし、令和3年度も、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、地方に所在する図書館などに出向き資料調査・収集を遂行することが困難であった。したがって、地方教育会雑誌の資料調査・収集を行うことができず、また専門的知識の提供の機会を得ることもできなかった。
もちろん、令和2年度の近代日本教育ジャーナリズム史研究会編『教育関係目次集成』にもとづく記事のデータベース化は進行している。また、本学図書館からの遠隔複写依頼により、『教育時論』などの記事収集は少しずつではあるが進行している点では、可能な限り研究は遂行している。
このような理由から、進捗状況は「（4）遅れている」と言わざるを得ない。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和3年度も、令和2年度と同様に【現在までの進捗状況】に記したように、当初の計画どおりに進行しているとは言い難い。令和2、3年度の遅れを取り戻し、令和4年度は研究の中間総括を行いたい。
（1）令和2年度、令和3年度に引き続き、中央の教育雑誌と都道府県教育会雑誌（『千葉教育雑誌』『山形教育』『市立兵庫県教育会雑誌』など）の記事収集につとめる。収集しつつある中央の教育雑誌『教育時論』については、さらなる資料のデータベース化につとめ、内容分析に進みたい。（2）収集した雑誌の書誌的検討については、これまでと同様に、①編集主体、②発行部数、③想定された読者層、④欄構成、⑤主な執筆者などの観点から検討し、その性格をつかみたい。（3）内容分析の検討についても、これまでと同様に、①理解、②認識、③救済という観点から記事の分析を試みたい。（4）新型コロナウイルス感染症の拡大のため、これまで招聘することができなかった専門的知識の提供のための講師を招き、日本近代教育史・学説史研究にもとづいた日本における「教育病理学」の普及過程とその意味に関する研究の深化を図りたい。（5）上記の研究成果を学会に問うとともに、今後の研究の知見を得るために、例えば、全国地方教育史学会において研究発表を行いたい。
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| Causes of Carryover |
【現在までの進捗状況】において述べたように、新型コロナウィルスの感染症の拡大によって、資料調査・収集（とりわけ「地方教育会雑誌」）が進んでいない。当初計画していた、岩手県立図書館、兵庫県立図書館、福岡県立図書館などの地方図書館への出張旅費や資料のデータベース化を進めるための人件費、日本近代教育史・学説史研究にもとづいた日本における「教育病理学」の普及過程とその意味に関する専門的知識の提供のための講師を招聘することができなかった。
今後の使用計画としては、新型コロナウィルスの感染拡大の状況を注視し、（1）令和2年度から継続している中央の教育雑誌『教育時論』の記事収集とデータベース化と対象雑誌の追加、そして内容分析を行い、（2）可能な限り岩手県立図書館、千葉県立図書館などの地方図書館に出張し資料収集を行い、（3）地方図書館への出張が困難であれば、可能な限り複写依頼によって資料収集し、（4）講師の招聘は、遠隔会議システムなども利用を検討している。
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