2021 Fiscal Year Research-status Report
creating organizational consultation system that fosters inter-professional work:develop the leading practical skills of nursery teachers
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20K02530
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Research Institution | Seibi Gakuen College |
Principal Investigator |
遠藤 愛 星美学園短期大学, 幼児保育学科, 准教授 (80641745)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 巡回相談 / 質問紙調査 / 情報収集 / 外部専門家 |
Outline of Annual Research Achievements |
第二次年度(令和3年)の研究は、申請時の計画では、園内の体制整備の充実化を図っている園を対象として、巡回相談後の園内協議にて保育者が外部専門家に抱く葛藤に進行役(研修担当者)がどのように対応しているのかを検証するための実証研究を行う予定であった。 しかしながら、2021年度中は、新型コロナウィルス・オミクロン株の流行により、保育現場では児童の感染防止を最優先する必要があったため、2020年度と同様に、現場への訪問は控える必要が生じた。そのため計画の変更を行い、第一次年度の予備調査研究を踏まえ、本調査として、保育現場への郵送調査を実施した。 研究の手続きとして、巡回相談を導入している幼稚園・保育所120園に質問紙を郵送し、保育巡回相談の効果を最大限に引き出すための工夫や、外部専門家に対して保育巡回相談開始前に事前に伝える情報等、巡回相談の運用実態に関する調査を行った。その結果、①乳幼児理解の他,保育者の精神的サポートや関係者間の連携強化に保育巡回相談が有効であること、②外部専門家が示す個別的対応や理解の視点を集団保育の現場で実践することに困難さを感じていること、③外部専門家への問題提起に係る情報は事前にまとめているものの、保育者が自身の見立てを提案したり、外部機関との連携に関わる情報を集めるなどの動きがとられにくいこと等がわかった。特に巡回相談開始前に、外部専門家に対して提示する事前情報については、幼稚園・保育所でもその内容と形式が一部異なる状況があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請当初、一次年度(令和2年度)で行う予定の計画であった「質問紙による保育巡回相談の運用実態に係る調査」は、COVID-19(パンデミック)の影響により、当該年度には実施できなかったため、この計画を二次年度(令和3年度)に実施することとなった。同時に、2021年度にはオミクロン株の蔓延により、子どもが出入りする保育・教育現場では、一層の感染拡大防止が必要であった。そのため、当初二次年度で実施予定であった現場での実証研究についても、実施を見送る形をとった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、まず令和3年度の成果を研究論文にまとめ、学会誌への投稿を行う。そして、申請当初より計画していた第二年次・第三年次の実証研究に取り組む。しかしこれらの研究は、保育現場に出向いて実施する研究である。新型コロナウイルス感染状況はある程度落ち着きを見せているものの、新たな急性肝炎の存在も危惧されている中、保育現場は未だ感染に対し警戒を緩められない状況である。よって実証研究の実施が難しい場合には、前年度実施した質問紙調査の中で課題となった「巡回相談開始前の情報収集」に焦点を当て、保育現場側と外部専門家で必要とする情報の認識の違いについて検証する。これが明らかになることにより、保育現場が職種間葛藤を回避するための手立てが提案できるものと考える。 具体的な手続きとして、保育現場の研修担当者、巡回相談を経験したことがある外部専門家それぞれ15名にインタビュー調査を行い、質的研究法にて分析を実施する。
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Causes of Carryover |
第二次年度(令和3年度)についても、新型コロナウィルス・オミクロン株の流行により、巡回相談事業を縮小する園が多く、実証研究の実施は困難な状況となったため、第一次年度に計画・準備した質問紙調査を実施した。よって、実証研究で現場に出向く上で必要であった出張費を使用する機会が得られなかった。同様の理由により、参加予定の学会はすべてオンライン開催となったため、旅費を用いることができなかった。 よって第二次年度(令和3年度)の未使用分の予算については、本年実施予定の実証研究にて生じる出張費、データ入力および分析作業の委託(その他)に活用する。また、今年度も感染拡大や幼児の急性肝炎の拡大が懸念されている。万が一計画通りに実証研究をすすめられなかった場合、昨年度実施した調査研究で課題となった「巡回相談場面における外部専門家と現職保育者のずれ」についてさらなる研究をすすめ、インタビュー調査を行う。これらにかかる出張費用(旅費)やデータ分析作業委託(その他)としても活用する。
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Research Products
(2 results)