2022 Fiscal Year Research-status Report
戦後改革期における教育の専門的自律性論議に関する実証的研究
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20K02543
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Research Institution | Sendai Shirayuri Women's College |
Principal Investigator |
岡 敬一郎 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (90449968)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 南原繁 / 射水郡 / 片口安太郎 / 農業公民学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
富山県・東京都への訪問調査を実施し、南原繁および戦後教育改革に関する文献を収集・分析することによって、南原の思想について理解を深めることができた。 その成果の一部として、射水市新湊博物館で収集した資料をもとに執筆した資料紹介「射水市新湊博物館所蔵片口屋文書より南原繁書簡・葉書」が、所属先の研究紀要に掲載された。本稿は、射水市新湊博物館が片口屋に関する史料を収集・整理した片口屋文書から、南原繁書簡・葉書を紹介するものである。 南原と片口安太郎の交流は、南原が内務省在籍中に射水郡長を務めたことが契機となった。いわゆる「青年郡長」の特質の一つとして「地方の教育問題に、異常なまでの熱意を持って臨んでいたこと」があげられているように、南原もまた射水郡長在任中に郡立農業公民学校創設を立案したことで知られる。射水郡長時代の南原に関する研究は資料面の制約が大きいが、南原と片口の長年にわたる交流を示す本資料から、郡立農業公民学校創設を通じた二人の協力関係の一端が垣間見えることとなった。 さらに、高岡市立中央図書館において郷土資料および新聞資料を閲覧するとともに、射水市中央図書館では旧「片口文庫」について調査を進めた。旧「片口文庫」は、小杉町立図書館から射水市中央図書館に引き継がれ、内容に応じて再分類され、書庫に収められている。『小杉町立図書館蔵片口文庫目録1983』を参照しながら、「郷土資料」を中心に内容を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って実施困難となっていた富山県・東京都への訪問調査について、2021年度に限定的に開始し、2022年度には当初の予定どおり実施することができた。しかし、2020年度を含めた遅れを取り戻すには至らなかったため、補助事業期間を2023年度まで延長することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
射水市中央図書館における調査を進め、旧「片口文庫」の状況を明らかにする。 東京都への訪問調査を含めて、南原の思想について理解を深める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、各年度に実施予定だった訪問調査が先送りとなったため、次年度使用額が生じた。 延長が認められた事業補助期間内に、予定していた訪問調査を進めるため、計画的・効率的に使用する。
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