2020 Fiscal Year Research-status Report
現代日本の社会意識の構成にみる共生/分断への志向性と学校教育経験との関わりの分析
Project/Area Number |
20K02571
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡本 智周 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60318863)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 共生 / 分断 / 社会意識 / 格差 / 共生社会 / 学校教育経験 / 学校知 / 社会調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会意識調査を通して、現在の日本社会に「共生」および「分断」への志向性がどのように構造化しているのか、そこに学校教育での経験と得られた知識・認識がいかに関わるのかを探索している。学校教育は社会化の装置であるという点において社会の統合や凝集性を促すものであるが、他方で教育大衆化以降の日本の教育空間はより顕著な選別の場となり、人びとの社会意識の懸隔を広める場ともなってきた。「共生」と「分断」への志向性の様態とその背景をみることによって、教育経験を通して伝達される社会統合の論理の社会的帰結を析出することが、本研究の目的である。 2020年度は大きく3つの課題を設定して研究活動を進めた。第1に、中等教育用社会科教科書を収集し、その内容の経年変化を把握する作業を行った。これは、学習内容の世代差を示す指標を作成するためである。 第2に、2019年10月に行った社会意識調査のデータを分析し、社会的共生を阻害する諸個人の意識やその背景要因を構造的に明らかにする作業を行った。とくに、「社会の中の格差や分断を“容認”する意識」の実態に焦点を定めて分析を進めた。社会問題に関する無関心、あるいは政治的無党派性が、その意識を支える要素となっていることが析出された。分析知見は2020年12月に論稿集『共生と分断の社会意識――2019年調査報告』(早稲田大学共生教育社会学研究室)として発行し、国立国会図書館および複数の大学図書館に納本した。 第3に、2021年1月に新たな社会意識調査を実施した。これは、2019年調査の内容を改訂し、「ジェンダー」「セクシュアリティ」に関わる共生社会意識、および「コロナ禍のなかの行動と意識」を把握する質問項目を追加したものである。1都5県の20代と40代を対象として回答者1000人から得られた社会意識データをもとに、世代ごとの特徴に焦点を当てた分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大のために研究活動が抑制された面がある。資料収集や研究のアウトプットの面で若干の計画変更が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の主要な課題である社会意識調査の立案と実施は順調に進められているので、結果の分析や次なる調査課題の整理を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大のために研究活動が抑制された面がある。資料収集や研究のアウトプットの面で若干の計画変更が生じた。次年度使用額は、次なる調査の実施のために使用される予定である。
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Remarks |
太郎次郎社エディタスWebマガジン [Edit-us] リレー連載「他人と生きるための社会学キーワード」①
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Research Products
(7 results)