2020 Fiscal Year Research-status Report
比較教育研究におけるISCED活用の可能性―日蘭の職業教育プログラムを事例として
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20K02573
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
吉田 重和 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30549233)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際教育標準分類 / ISCED / 学校体系 / 教育プログラム / 教育制度 / 接続 / 図式化 |
Outline of Annual Research Achievements |
比較教育研究における国際標準教育分類(International Standard Classification of Education;ISCED)活用の可能性を示すべく、2020年度は、ISCEDに基づく教育プログラム図の開発試案を提示することを目的とし、質的な観点から検討を加えた。具体的には、日本の前期中等教育から後期中等教育への接続状況を事例として使用し、従来使用されてきた学校体系図と教育プログラム図の差異点を示すことにより、教育プログラム図開発の意義を見出した。 本年度の研究成果として、ISCED活用に関する具体的な方策の一端として、以下の内容が明らかになった点が挙げられる。 学校体系図は、学校種間の接続について、それぞれの上底と下底を接するように配置することでこれを示すため、すべての接続を図示できないという限界がある。また図中で示されている単位が教育機関であるため、一つの教育機関において複数の教育プログラムが提供されているという現況に即しておらず、教育制度の図示という点で正確さに欠けるという点も課題であるといえる。 学校体系図と比較することにより、教育プログラム図は、学校体系図の抱えるこれらの限界や課題を克服する可能性があることが示された。すなわち教育プログラム図においては、作図に際して技術的な課題が残されているものの、教育プログラム及びその接続状況をより正確に図示することが可能である。この点に教育プログラム図開発の意義を認めることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による教育・研究体制の大幅な変更により、研究内容の一部(洋雑誌の文献収集等)において当初計画からやや遅れが見られる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究成果を基盤としつつ、2021年度は、日本・オランダを含む複数の国々の教育プログラム図を試験的に作成する。また作成に際し、図の視認性や作図の難易度に着目し、作図に関する技術的な課題についても改善を加えることとする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による教育・研究体制の大幅な変化により、一部研究内容に遅れが出たことが助成金の支出にも影響している。2021年度は、研究の遅れを取り戻すべく洋雑誌の文献収集及びプログラム図開発に注力する予定であり、繰り越された助成金もこれらの作業に伴う経費に充てる。
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Research Products
(2 results)