2020 Fiscal Year Research-status Report
外国人散在地域における外国につながる子どもの教育支援の実態と課題
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20K02579
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 美穂 弘前大学, 教育学部, 准教授 (10803223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国につながる子ども / 散在地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,外国人散在地域における外国につながる子どもへの教育支援の実態と課題を実証的に明らかにすることを目的としている。 外国につながる子どもの教育支援に関する先行研究は,そのほとんどが外国人集住地域を研究のフィールドとしてきた。しかし,近年,「指導にあたる教員や支援員などの体制が十分に整っていない散在地域や少数在籍学校において,急増する児童生徒に必要な指導を十分に行えていない」ことが,日本語指導が必要な子どもへの教育支援が進展しない要因のひとつと考えられている。集住地域と比べて,人口密度,公共交通機関,支援人材,外国人保護者が置かれている社会経済的環境等の条件が大きく異なる散在地域において,どのような教育支援の在り方が適切かを検討するには,散在地域の外国につながる子どもを取り巻く現状と課題が十分把握される必要がある。 本研究は,典型的な散在地域である青森県を主な研究のフィールドとして,この研究課題に取り組む。 研究の初年度にあたる令和2年度には,①調査研究の基礎を支える,青森県及び県内市町村教育委員会,青森県国際交流協会,県内大学,支援NPO等の関係者とのネットワークの形成を進めるとともに,並行して進めている文部科学省委託事業「多文化共生に向けた日本語指導の充実に関する調査研究」による県内小中学校の悉皆調査の結果を活かして,②地域の教育支援資源に関する探索的な調査,③外国につながる子どもの在籍する複数の学校における課題把握のための予備的な調査を進めてきた。 また,他県及び全国的な動向に関する情報収集については,新型コロナウイルス感染防止観点から,当初予定していた訪問調査や対面での研究会参加ではなく,オンラインで可能な範囲での情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表を務める令和2年度文部科学省委託事業「多文化共生に向けた日本語指導の充実に向けた調査研究」と並行するかたちで本研究を進めることができたため,同調査研究の青森県内小中学校悉皆調査結果や支援実践を踏まえることで,本研究の中核となる在籍校の支援事例にかかわる調査や地域の支援資源に関する調査は,当初の想定以上に順調に進展している。一方,新型コロナウイルス感染防止のため対面での実施を断念せざるを得ず,東北地方の他県の情報収集等には遅れも見られた。総合的にみれば,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,外国につながる子どもの在籍校における支援事例の参与観察をさらに進めつつ,昨年度来の予備的調査を踏まえ青森県内における支援資源の現状について,ある程度のまとめと考察を行う。また,新型コロナウイルスの感染状況を踏まえながらとなるが,今年度後半には,東北他県の実地での情報収集を進めていきたい。最終年度には,数年間わたって参与観察してきた事例について,子ども,保護者,学校関係者,管理職,担任教員,地域支援者等に個別の聞き取り調査を実施し,散在地域における教育支援を支える諸条件を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度は,新型コロナウイルス感染防止のため,特に県外での情報収集のための旅費がほとんど使用できなかった。一方,オンラインでの情報収集や調査のため,処理性能の高いPCやWebカメラ等の機材を整備せざるを得なかった。その差額が次年度繰り越しとなったものである。次年度は,今年度行えなかった実地での情報収集や学会発表を積極的に行う予定であり,その分の旅費等に繰り越しの予算を充てる。
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