2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K02596
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
石川 朝子 下関市立大学, 都市みらい創造戦略機構, 特任教員 (60759877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝野 淳一 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (10758577)
喜始 照宣 園田学園女子大学, 人間健康学部, 助教 (40798922)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中華学校 / 華僑教育 / 卒業生教員 / 継承 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題である「中華学校の社会化機能に関する研究」の目的は、①中華学校出身者の進路実態を把握し、②中華学校での教育経験が進路形成過程に与える影響を解明することである。 今年度はこの中でも、特に、中華学校卒業生として中華学校の母校で教鞭をとる卒業生教員に着目し、インタビュー調査を行なった。関西にある一つの中華学校を対象とし、12名の卒業生教員及び2名の新華僑教員へインタビューを行い、日本の中華学校における華僑教育の継承のあり方についてまとめた。これまでの先行研究では対象とされてこなかった、卒業生教員のキャリアと中華学校における華僑教育の継承についてその関係を明らかにすることができた。 この調査結果については、2022年11月に米国サンフランシスコで行われた世界華僑華人学会(International Society for the Study of Chinese Overseas)にて「"Alumni Teachers" in Chinese Schools: Their Roles in the Inheritance of Overseas Chinese Education in Japan」というタイトルで発表を行なった。国際学会での発表については、当初の研究計画に記載していたとおり実現することができた。今後は、国際学会での発表をもとに英語での学術論文を2本執筆する予定である。また、上記の国際学会での発表後、調査対象となった中華学校にて、調査結果についての報告と質疑応答を行う機会を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展していると思われる。 研究計画当初は、日本にある5校の中華学校卒業生に対して、20代から30代を中心に卒業後の進路形成について聞き取り調査を行うことを研究の目的としていた。コロナ禍の中、オンライン会議システムなどを使用し、20名近い卒業生に話を聞くことができたが、当初計画をしていた100名程度へインタビューをするという目標は叶わなかった。 計画では5校全ての中華学校での聞き取り調査を実施する予定であったが、コロナ禍での移動の制限もあり、関西にある一つの中華学校を対象に深い聞き取りを行うことに変更をした。結果、これまで研究されてこなかった卒業生教員へのインタビューが実現し、卒業生の中でも「母校に帰る」キャリア形成のあり方と中華学校における華僑教育継承の関係について明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、2022年11月に米国サンフランシスコで行われた世界華僑華人学会(International Society for the Study of Chinese Overseas)にて発表した「"Alumni Teachers" in Chinese Schools: Their Roles in the Inheritance of Overseas Chinese Education in Japan」の研究成果を整理し、英語による学術論文を執筆する予定である。また、日本における5校の中華学校のトランスナショナルな教育戦略について整理し、英語による論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度、英文論文を執筆する予定である。その際に、英語論文校正費が必要となってくるため、予算を余剰として確保している。
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