2020 Fiscal Year Research-status Report
思考表現スタイルの日米仏伊比較ー<論理的>に考え書く事の理論と実証研究ー
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20K02604
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 雅子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (20312209)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 比較教育 / 思考表現スタイル / 作文教育 / 歴史教育 / 論文の書き方 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年は、コロナの影響でフランスでの現地調査が不可能となったため、フランスとイランの思考表現スタイルの文献調査を行いながら、4カ国比較のモデルの指標を確定する作業を進めた。具体的には、フランスのバカロレア試験論述問題の分析(哲学と文学の小論文の複数の構造分析)および哲学と文学のディセルタシオン創造と発展の歴史に関する文献調査、およびイランの作文教科書(小学校1年から高校3年まで)の通読による作文の型の抽出である。 イランはフランスの教育の影響を強く受け、フランスと同様に革命によって社会の大転換を経験しながらも、両国の作文・小論文の構造に現れる思考表現においては、多くの点で逆のベクトルを示していることが判明した。この書き方に現れる思考法の違いの特定により、<論理的>であることの根拠を何に求めるのかという本研究のテーマと深く関わる考察を進めることができた。指標の確定とともに、これらの知見を現在論文と著書にまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フランスでの現地調査は昨年行えなかったが、文献によるフランスとイランの比較調査を進めることで、モデルづくりの指標を固めることができたため、順調に進展しているとの評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
日本とアメリカの作文・小論文教育について、文献およびメールによる聞き取り調査から6年前に行った現地調査のフォローアップとアップデートを行う。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で予定していたフランスでの現地調査が行えなかったため。
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