2021 Fiscal Year Research-status Report
多文化・マイノリティ教育におけるオルタナティブな教育メソッドの可能性
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20K02608
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松井 真之介 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (70533462)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モンテッソーリ教育 / オルタナティブ教育 / ムスリム学校 / ヒズメット運動 / マイノリティ / ヒズメット |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度も前年度引き続きにコロナ禍により、①基礎資料の収集、②国内モンテッソーリ機関への調査訪問、③海外モンテッソーリ機関への調査訪問のうち、遂行できることがほぼ①のみであった。 よって本年度も資料収集に特化し、実践的なメソッドに関する資料を、西日本では有数の教育学の資料を所持する広島大学図書館および、モンテッソーリ教育に関する資料が充実している大阪信愛女学院図書館にてあらかじめ集めることに専念した。そして、当初は想定していなかった国内のモンテッソーリ機関と、その教育メソッドについての詳しい知見を得られたことは特筆に値するかと思われる。 また、広義のオルタナティブな教育メソッドを発展させた例として、弘前大学にて「『地域への目覚め』を介した日本型複言語・複文化教育モデルと複文化教育交流実験検証」(科研研究課題番号20K03090、代表者:熊野真規子弘前大学准教授)という、自分の住む地域(ここでは主に青森県弘前市)とフランス・フランス語をつなぐという非常に興味深い教育実験が行われていることを知ることとなった。そして当該年度8月末に弘前大学、早稲田大学、近畿大学三大学の学生有志による実際の交流実験(ハイフレックス型)に参加し、非常に重要な知見を得ることができた。 このように、当該年度はモンテッソーリ教育機関のみならず、広くオルタナティブな教育メソッドを実施している教育機関にも目を向け始め、国内の機関には実際に訪問することができたことは大いなる収穫であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究概要に示したとおり、当年度も前年度に引き続きコロナ禍による行動諸制限のため、遂行できることがほぼ①の「基礎資料の収集」のみであり、非常に限られてしまったためである。一方で、モンテッソーリ教育の基礎資料、実践資料の収集はほぼ終了したと言ってよいだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
海外渡航制限解除の兆しが出てきたので、現在海外のモンテッソーリ機関にオンライン調査だけではなく正式に訪問し実態調査する形に落ち着けるよう、方策および調査対象を改めて選定し直しているところである。 そして国内においても、モンテッソーリ機関だけでなく、オルタナティブな教育メソッドを採用して異文化教育を盛んに行っている機関に注目して、そこを研究対象にして調査を行うことが、海外渡航制限後に実施する海外調査を大きく牽引することになるのではないかと予測しているので、モンテッソーリ機関をはじめとして国内のオルタナティブな教育機関も詳細に調査することを検討している。
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Causes of Carryover |
当研究課題の中心である海外渡航調査がコロナ禍により不可能だったという理由、また今年度以降にこれまでに行うはずであった海外渡航調査を行うために、繰越を行う必要が生じた。 使用計画としては、今年度前期末に1回、フランス、ベルギー、アルメニアの調査対象の学校に訪問調査を行い、その後今年度後期末に1回、ベルギー、フランスに調査対象の学校に訪問調査を行う予定である。
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