2023 Fiscal Year Research-status Report
実施運営の質の多様性と発現する保育者の専門性―幼稚園における2歳児の保育を題材に
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20K02629
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
藤本 松香 (古賀松香) 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70412418)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 2歳児の保育 / 実施運営の質 / 保育者の専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、引き続き2歳児の保育に関する実地調査(研究①横断調査、研究②縦断調査)を行った。いずれも関西圏内で2歳児の保育を実施している国公私立幼稚園において、終日の保育観察と事前事後インタビューを実施している。その結果の一部として、以下のようなことが明らかとなった。 (1)実施運営の質の実態把握 研究①②の対象者計33名中28名(84.8%)は私立園勤務だが、保育経験年数が5年未満の者は33名中3名(9%)のみで、中堅・熟練層(経験年数5年以上)の保育者が多い。そのうち2歳児クラスの担任回数が5回未満である者が22名(69.7%)であった。幼/保の経験年数では、保育所保育士としての経験を持つ者は少ない一方(0年が19名57.6%)、3歳以上の幼稚園教諭としての経験の蓄積があり、経験のない者は2名(6%)のみであった。雇用形態は、20名(60.6%)が非正規雇用であり、経験豊富な保育者が結婚・出産を経て非正規で再雇用されるケースの多さが伺えた。幼稚園の3歳以上のクラスを基本的には一人担任でもっていた保育者が、2歳児の保育において複数担任の連携保育を行っていること、また、3歳未満児の保育の経験は7割程度が初任層(経験年数5年未満)であり、3歳以上児の保育の専門的知識・経験を活かしつつ、新たに学びながら実践に臨んでいることが推測された。 (2)保育者の専門性の検討 上記のような特徴のある保育者が事前インタビューで語った内容を分析したところ、2歳児の育ちの姿に新鮮な保育の喜びを感じている語りが特徴としてみられた。また、2歳児の保育自体の経験は少なくとも、保育経験や保護者支援の経験豊富な保育者とチームで相談したり関与したりすることが支えとなっていることも多く語られ、全体としてやりがいを感じ、2歳児の成長を楽しむ保育者間の協働的専門性が発揮されていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の流行があったことで、フィールド調査の開始が遅れたことから、全体の進行が遅れている。しかし、調査自体は終了したことから、今後は分析と論文化をすすめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに収集したインタビューデータおよび観察データの分析を進め、研究発表、論文化を行っていく。特に、幼稚園の2歳児の保育担当者間の連携や肯定的な保育観、大変ながらも支え合い保育を楽しもうとする協働的な専門性について焦点を当てながら検討を行う。
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Causes of Carryover |
調査はすでに終了しているが、研究期間を延長し、研究成果の投稿等を行う予定である。
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