2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on implementation of Instrument to Assess Children's Capacity for Assent: application to educational studies and medical studies
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20K02639
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
石山 ゐづ美 常葉大学, 保育学部, 教授 (70541704)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インフォームド・アセント / アセント評価尺度 / 子ども / 研究説明補助資材 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフォームド・アセントとは,インフォームド・コンセントを与える能力を欠くと判断される研究対象者が,その理解力に応じた分かりやすい言葉で説明を受け,理解し,参加への賛意を表することである。本研究の目的は,教育系分野で開発中の幼児用アセント評価尺度(Instrument to Assess Children’s Assent:IACA)を医学系分野に適用し,さらに小学生に応用できる尺度に改編することである。IACAは半構造化面接調査の方法を用い,対象者の賛意の様相を評価する尺度である。研究者と子どもが対話しながら得点が記録される形式を採用し,インタビューガイドと評価基準・得点が一葉となった記録用紙として開発されている。 教育系IACAは3セクション・10項目から成り,1項目0-2点・総合得点0-20点としている。構成は,「理解と認識」セクション0-16点(研究計画の理解と認識,研究参加の目的・利益・不利益の理解と認識,参加拒否可能・同意撤回可能の理解と認識),「選択の表明」セクション0-2点(明確な参加・不参加表明,明確さを欠く参加・不参加表明,意思表明なし),「論理的思考と一貫性」セクション0-2点(参加・不参加意思一貫性のあり・なし,合理的理由のあり・なし)である。 2022年度,医学系IACAとしての応用を目指し,この構成を保持しつつ,小学校1~3年生が解説用ICT資材を視聴した後に実施する評価尺度として改編が行われた。資材で説明される研究計画,目的,利益・不利益との整合を図り,項目ごとの評価基準となる子どもからの回答・反応の得点化を,幼児用から小学校低学年用に修正した。 この改編の基礎資料を得るため,2023年3月,小学校1~3年生8人を対象とするパイロット調査を実施した。結果として,幼児では理解が不明であった研究参加の目的・利益につき,理解の可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アセント評価尺度(Instrument to Assess Children’s Assent)を以下IACAと表記する。 研究の第一目標である,教育系IACAの標準化を達成するためには,さらに研究協力者を募集し,多数の面接調査を行い,適切なサンプル数を確保しなければならないことは明確である。研究の計画において今年度は,幼稚園児200人の協力を得て,尺度を用いた半構造化面接調査を実施し,分析により信頼性と妥当性を検証することが予定されていた。しかし2021年度に引き続き2022年度も,新型コロナウイルス感染症の蔓延という実態及び感染拡大予防を重視する社会情勢により,研究協力園への研究依頼ができず,実施見合わせ・延期となったまま調査は実施されなかった。 このような理由により,今年度も研究の進捗は予定よりやや遅れる結果となった。 一方,小規模ながら小学校低学年児童を対象とした面接調査を実施することができた。さらに,小学校低学年児童向けICT資材の制作に参画することができ,小学校低学年用医学系IACAの開発は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 教育系IACAの標準化を目指して,適切なサンプル数の確保と解析をする。 (1) 幼稚園児,保護者,幼稚園教諭の協力を得て,幼児を対象とする半構造化面接調査を実施するとともに,保護者および幼稚園教諭を対象とする質問紙調査を実施する。(2) 幼児データの解析,および三者データの比較と分析により,教育系IACAの信頼性と妥当性を検証する。 2. 医学系IACAを医療の現場においてアセントが求められる児童に応用するとともに,小学校低学年用・高学年用のIACA開発を進める。 (1) 病気の治療と予防のために,ゲノム解析用検体提供が医療者から求められている小学生を対象として,インフォームド・アセント用ICT資材を説明として用いる。説明後,医学系IACAを用いてアセントの様相を評価する。これは同時に,ICT資材が子どもの理解力に応じた内容になっているか否かを評価することとなる。この社会応用を通して,医学系IACAの検証を行う。(2) 小学校4~6年生を対象とするインフォームド・アセント用ICT資材の開発に参画する。(3) 説明後のアセント評価に用いる医学系IACAを,ICT資材に適合するよう改編する。説明される研究計画,目的,利益・不利益との整合を図り,項目ごとの評価基準となる子どもからの回答・反応の得点化を,小学校高学年用に修正する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の予防を重視する社会情勢による。幼児が生活する保育施設は感染対策をしながら開園を続けていた。しかし,研究に伴う外部からの立ち入り,および保育活動に必須でない幼児との接触をお願いできない状況であった。また,保育者は感染予防に平時以上の労力を費やしていたため,研究への協力を依頼することができなかった。これらのことから,幼児を対象とする面接調査は実施見合わせとなり,2020年度から延期となったまま2022年度も実施されなかった。よって,幼児を対象とする調査のための旅費,人件費・謝金を使用することがなかった。 一方,2022年度中に,地域子育て支援拠点の協力を得て,小規模ではあるものの小学校低学年児童を対象とするパイロット調査を実施することができ,人件費・謝金,その他を使用した。 社会情勢が変化する次年度は,研究発表が採択されている国際学会1件と国内学会1件に参加する予定である。幼児への面接調査を始めとして,ゲノムコホート研究でのインフォームド・アセント用ICT資材開発と評価に関する研究との関連部分がある,小学校低学年児童,および高学年児童の面接調査も予定している。よって次年度は,旅費,人件費・謝金,その他全ての費目において,研究費の使用を計画している。
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Research Products
(3 results)