2021 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ保育技術の視覚化 -重症心身障害児との関わり合いを促す新たな試み-
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20K02640
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Research Institution | Ohka Gakuen University |
Principal Investigator |
小柳津 和博 桜花学園大学, 保育学部, 准教授 (60803707)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インクルーシブ保育 / 重症心身障害児 / 関わり合い |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題について、2021年度は論文1本、学会発表3本の成果を発表することができた。 成果①(論文):小柳津和博(2021.11)日本型インクルーシブ教育システムにおける課題の可視化 -米国の特別教育施策を基にした検討-.桜花学園大学保育学部研究紀要,第24号,21-33. 本論文では、日本型インクルーシブ教育システム構築に向けた課題として、特別の教育ニーズを障害という閉じられた文脈の中で議論していること、連続性のある多様な学び場としての教育環境整備不足があること、の2点を明らかにした。 成果②(学会ポスター発表):小柳津和博・他1名(2021.5)インクルーシブ保育における保育者の創造力に関する研究 -重症心身障害児を含む集団の関わり合いを促すための専門性-.第74回日本保育学会. 本発表では、重症心身障害児を含む集団において、子ども同士の関わり合いを促す保育者の創造力として、満ち足りた支援の状態の理解と、支援が足りない際の小出しに付け足す創造力、の2点が保育者の実践知にある可能性について報告した。 成果③(学会発表):小柳津和博・他1名(2021.9)重症心身障害児と関わり合うインクルーシブ保育を創造する力の考察.日本特殊教育学会第59回大会. 本発表では、重症心身障害児との関わり合いを促す保育者の創造力として、保育者の立ち位置を変化させて活動内容を創造すること、子どもを主語として参加方法を創造すること、の2点が重要であることを報告した。 成果④(学会自主シンポジウム):小柳津和博・他4名(2021.9)特別な配慮を必要とする学生の修学支援の現状と課題(3)-教育・保育職を多様性の視点から考える-.日本特殊教育学会第59回大会. 企画者・話題提供者として学生同士の相互支援関係の構築場面について検討し、不安な場面、不安の所在について報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画より、やや遅れている。主な理由は、世界的な感染症の流行による海外渡航しての調査を実施できないことが影響している。研究計画では2020年度、2021年度にかけて英国、米国、タイへ渡航して現地の調査を行う計画であったが、海外での調査が実施できていない状況にある。 2021年度は2020年度同様、文献調査や国内でのアンケート調査を中心に研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を一部変更したい。本研究課題は2020年度~2022年度の3年間の研究計画であったが、1年間の研究計画の延期を申請し、4年間での研究としたいと考えている。世界的な感染症流行状況、現地調査を予定している諸国の出入国制限等を精査し、2022年度、2023年度中で条件が整ったところで海外(英国、米国、タイ)の調査を実施したい。 感染症の流行状況によっては、海外での現地調査を行わない研究計画に変更をすることも視野に入れている。現地調査が実施できない場合は、文献による調査を中心として諸外国の情報を収集する計画に変更することを検討している。
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Causes of Carryover |
世界的な感染症流行により、研究計画で予定していた海外渡航しての調査を実施することができなかった。海外への渡航費として旅費の使用ができなかったため、次年度使用額に当該助成金が生じた。 翌年度(2022年度)は計画している北欧、北米、アジア地区の感染状況等を踏まえて可能な範囲で海外渡航しての調査を実施したい。感染症拡大状況によって海外渡航による調査が困難な場合は、翌々年度(2023年度)まで研究計画を延長したい。
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Research Products
(4 results)